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【歯科医監修】おしゃぶりと出っ歯の関係|やめる時期・代替癖・改善法を解説

2026年7月8日

赤ちゃんを落ち着かせてくれるおしゃぶりは、子育ての心強い味方です。しかし、おしゃぶりを長く使い続けると、お子さんが出っ歯になってしまうのではないかと心配される保護者様は少なくありません。

実際、おしゃぶりは使い方や使用期間によっては、歯並びに影響を与えることがあります。そして、おしゃぶりの問題は、指しゃぶりへの移行や、下唇を巻き込む癖など、次の良くない癖につながっていくこともあります。

この記事では、札幌市西区の「みかみ歯科医院」が、おしゃぶりと出っ歯の関係、やめるべき適切な時期、そして代替となる癖への注意点について、3歳児検診に長く携わってきた歯科医師の目線から詳しく解説します。

おしゃぶりで出っ歯になるのはなぜ?

まずは、おしゃぶりがなぜ出っ歯につながるのか、そのメカニズムを見ていきましょう。

おしゃぶりが前歯に力をかける

おしゃぶりを口の中に入れると、おしゃぶりが当たる前歯には、継続的に力がかかります。

赤ちゃんはおしゃぶりを吸う動作を繰り返すため、上の前歯には常に前方へ押し出す力が働きます。また、口の中におしゃぶりがあることで、口の中のスペースが狭くなり、行き場をなくした舌が前歯を押し出すことにもつながります。

出っ歯(上顎前突)になるメカニズム

おしゃぶりを吸う動作では、上の前歯に継続的に圧力がかかり、上の前歯が前方に傾きやすくなります。これが、出っ歯、つまり上顎前突と呼ばれる状態です。

出っ歯になると、口が閉じにくくなったり、見た目が気になったりするだけでなく、口呼吸につながることもあります。乳歯の時期であっても、噛む機能や発音に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。

開咬や交叉咬合になることも

おしゃぶりの長期使用は、出っ歯以外の不正咬合を引き起こすこともあります。

奥歯を噛み合わせても、上下の前歯の間に隙間ができてしまう開咬(かいこう)や、上下の歯が左右にずれて噛み合ってしまう交叉咬合(こうさこうごう)になることもあります。開咬になると、食べ物をうまく噛み切れなかったり、サ行やタ行などの発音が不明瞭になったりすることがあります。

おしゃぶりはいつまでにやめるべき?

では、おしゃぶりはいつまでにやめればよいのでしょうか。

5歳までにやめれば永久歯に影響が残りにくい

指しゃぶりやおしゃぶりの癖について、いつごろまでにやめればいいのかという質問には、5歳くらいまでにやめられれば、永久歯までひきつがれないことが多いとお答えしています。

乳歯の時期についた癖であっても、5歳くらいまでにやめることができれば、その後生えてくる永久歯には影響が残りにくいのです。逆に、それ以降も続けてしまうと、永久歯の歯並びにまで影響が及ぶ可能性が高くなります。

3歳の誕生日から少しずつやめる努力を

ただし、5歳の誕生日に、わたし、ぼく、やめる、とはならないものです。

そこで当院では、3歳のお誕生日がきたら、少しずつやめる努力を家族で始めましょうとお伝えしています。3歳は、乳歯が完成する、つまり乳歯がすべて生えそろう年齢です。この時期から少しずつやめる準備を始めることで、5歳までに無理なく卒業できるようになります。

いきなりやめるのは、お子さんにとっても保護者様にとっても負担が大きいものです。時間をかけて、少しずつ取り組んでいくことが大切です。

乳歯が生えそろう時期が目安

一般的に、日本小児歯科学会では、おしゃぶりについては1歳過ぎから少しずつやめる練習を始め、2歳半頃までにやめることが推奨されています。

これは、乳臼歯が生えそろう2歳半から3歳を過ぎてもおしゃぶりを使い続けると、歯並びや噛み合わせの問題が固定化しやすくなるためです。おしゃぶりについては、できるだけ早めの卒業を心がけましょう。

おしゃぶりから指しゃぶりへの移行に注意

おしゃぶりで見落とされがちなのが、指しゃぶりへの移行です。

おしゃぶりを長く使うと指しゃぶりに移りやすい

おしゃぶりを長く使ってしまうと、代替として指しゃぶりをしてしまうことが多いです。

おしゃぶりを取り上げても、吸う欲求そのものが満たされていないと、お子さんは今度は自分の指を吸うようになってしまいます。おしゃぶりをやめさせたつもりが、指しゃぶりという次の癖に移行してしまうのです。

3歳児検診で相談が多い指しゃぶり

当院では3歳児検診に長く携わっていますが、相談されるベスト3のひとつが、この指しゃぶりです。

それだけ多くの保護者様が、お子さんの指しゃぶりに悩まれているということです。指しゃぶりは、おしゃぶり以上にやめさせるのが難しく、長引くケースも少なくありません。

指しゃぶりによる出っ歯のパターン

指しゃぶりによってできる不正咬合は、いわゆる出っ歯が多いです。

ただし、指しゃぶりにはいろいろな仕方があるので、1つのパターンでは語れません。指の種類にもよりますし、親指の子もいれば、複数本の指を第二関節の位置くらいまで突っ込んでやっているお子さんもいます。

そのため、上の前歯だけが前突しているケースもあれば、上顎のかたちまで変形させるくらいの力が及んでいるケースもあります。どのような指しゃぶりをしているかによって、歯並びへの影響も変わってくるのです。

指しゃぶりをやめても出っ歯が進むケース

指しゃぶりをやめても、歯並びがどんどん悪くなってしまうケースがあります。それは、代替の何かをしている場合に多いです。

下唇を巻き込む代替癖

指しゃぶりが長いと、お口のかたち、歯並びのかたちがそのようになっているので、指が入っていた隙間に、下くちびるを巻き込む癖がつくケースがあります。

指しゃぶりで前歯が前に出て隙間ができると、その隙間に下唇がぴったりと収まってしまい、無意識のうちに下唇を巻き込むようになります。この癖が続くと、上の前歯はさらに前に押し出され、出っ歯が進行してしまいます。

タオルやハンカチを噛む癖

指しゃぶりの代替として、タオルやハンカチを噛む癖を始めてしまうお子さんもいます。

吸う、噛むという欲求が満たされないと、お子さんは別のものでその欲求を満たそうとします。タオルやハンカチを噛む癖も、前歯に力をかけ続けるため、歯並びに影響を与えます。

唇巻き込みのサイン(しみ・皮むけ・荒れ)

下唇を巻き込んでいるお子さんには、いくつかのサインが見られます。

お顔の皮膚に赤茶色のあと、つまりしみが見られたり、下くちびるの皮むけ、くちびるの荒れが見られたりします。これらのサインに気づいたら、お子さんが下唇を巻き込む癖を持っている可能性が高いです。

こうしたサインを早めに見つけて、癖に気づいてあげることが、出っ歯の進行を防ぐ第一歩となります。

良くない癖は家族みんなでやめることが大切

おしゃぶりや指しゃぶり、その代替の癖への対応で、最も大切なことをお伝えします。

良くない習癖は良くないループを生む

良くない習癖は、良くないループを生んでいきます。

おしゃぶりが指しゃぶりを生み、指しゃぶりが下唇の巻き込みを生み、それがさらに出っ歯を進行させる。このように、一つの良くない癖が、次の良くない癖を呼び、悪循環に陥っていきます。

だからこそ、なるべく早めにやめること、そしてそれをやっている原因にアプローチすることが大切になります。

原因にアプローチすることが大切

ただ癖をやめさせようとするだけでは、うまくいかないことがあります。

なぜその癖をしているのか、その背景にある原因にアプローチすることが重要です。不安や寂しさから吸う癖が出ているのであれば、その気持ちに寄り添うことが必要です。原因を取り除かないまま無理にやめさせようとすると、別の癖に移行してしまうこともあります。

お母さん一人で抱え込まないで(卒乳との共通点)

こうした癖への対応は、お母さん一人で抱え込まず、本人と家族、みんなで良くない癖をやめることに取り組むことが大切です。

これは、卒乳とも似ています。お子さんが飲みたがるからといって、ずっとあげているわけにはいきません。お母さんの健康にも関係してしまいます。母乳には、ものすごいエネルギーが必要だからです。

おしゃぶりや指しゃぶりも同じで、お子さんが求めるからといって続けさせるのではなく、適切な時期に、家族みんなで協力して卒業を目指すことが、お子さんの将来の歯並びと健康を守ることにつながります。

出っ歯になってしまったら|当院の矯正治療

もし、おしゃぶりや指しゃぶりが原因で出っ歯になってしまった場合でも、適切な治療で改善することができます。

保田矯正による早期治療

当院では、保田矯正という独自のアプローチで、お子さんの矯正治療を行っています。

これは、複数の矯正装置を組み合わせることで、それぞれの長所を活かした治療を行う方法です。成長期のお子さんであれば、顎の成長を利用して、出っ歯や噛み合わせの問題を改善することができます。早めに治療を始めることで、将来的な抜歯や外科手術のリスクを減らすことができます。

癖の改善(MFT)も並行

出っ歯を改善するためには、歯を動かすだけでなく、その原因となっている癖を改善することも重要です。

当院では、矯正治療と並行して、MFT(口腔筋機能療法)による癖の改善もサポートしています。下唇を巻き込む癖や、舌の位置の問題などにアプローチすることで、治療後の後戻りを防ぎ、健康的な口元を目指します。

まとめ:おしゃぶりと出っ歯の関係を理解し早めの対応を

おしゃぶりは、吸う動作によって上の前歯に力がかかり、出っ歯(上顎前突)や開咬、交叉咬合などの原因になることがあります。5歳くらいまでにやめられれば永久歯に影響が残りにくいため、3歳の誕生日を目安に、少しずつやめる努力を家族で始めましょう。

また、おしゃぶりを長く使うと指しゃぶりに移行しやすく、指しゃぶりをやめても、下唇を巻き込む癖やタオルを噛む癖など、代替の癖によって出っ歯が進行することもあります。良くない習癖は良くないループを生むため、なるべく早めに、原因にアプローチしながらやめることが大切です。

お母さん一人で抱え込まず、家族みんなで取り組みましょう。もし出っ歯になってしまっても、札幌市西区の「みかみ歯科医院」では、保田矯正とMFTによる根本的な改善をサポートしています。お子さんの歯並びや癖が気になる方は、お気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1: おしゃぶりで本当に出っ歯になりますか?

おしゃぶりの使い方や使用期間によっては、出っ歯になることがあります。おしゃぶりを吸う動作では、上の前歯に継続的に圧力がかかり、上の前歯が前方に傾きやすくなります。これが出っ歯、つまり上顎前突と呼ばれる状態です。また、口の中におしゃぶりがあることで、口の中のスペースが狭くなり、行き場をなくした舌が前歯を押し出すことも出っ歯につながります。出っ歯以外にも、奥歯を噛み合わせても前歯に隙間ができる開咬や、上下の歯が左右にずれる交叉咬合になることもあります。ただし、乳歯の時期であっても、5歳くらいまでに癖をやめられれば、永久歯には影響が残りにくいとされています。

Q2: おしゃぶりはいつまでにやめるべきですか?

おしゃぶりについては、日本小児歯科学会では1歳過ぎから少しずつやめる練習を始め、2歳半頃までにやめることが推奨されています。これは、乳臼歯が生えそろう2歳半から3歳を過ぎても使い続けると、歯並びの問題が固定化しやすくなるためです。癖全般については、5歳くらいまでにやめられれば、永久歯までひきつがれないことが多いです。ただし、5歳の誕生日に急にやめられるものではないので、3歳のお誕生日、つまり乳歯がすべて生えそろう頃から、少しずつやめる努力を家族で始めることをおすすめしています。いきなりやめるのではなく、時間をかけて取り組むことが、無理のない卒業につながります。

Q3: おしゃぶりをやめたら指しゃぶりを始めてしまいました。どうすればいいですか?

おしゃぶりを長く使ってしまうと、代替として指しゃぶりをしてしまうことが多く、これはよくあるケースです。当院で担当している3歳児検診でも、相談されるベスト3のひとつが指しゃぶりです。指しゃぶりによる出っ歯は、指の種類や本数、吸い方によってパターンが異なり、上の前歯だけが前突するケースもあれば、上顎のかたちまで変形させるほど力が及ぶケースもあります。大切なのは、なぜ吸う癖が出ているのか、その原因にアプローチすることです。不安や寂しさが背景にある場合は、その気持ちに寄り添うことが必要です。お母さん一人で抱え込まず、本人と家族みんなで取り組むことが、癖の改善につながります。なかなかやめられない場合は、歯科医院にご相談ください。

Q4: 下唇を巻き込む癖があるようです。歯並びに影響しますか?

はい、下唇を巻き込む癖は、歯並びに影響します。指しゃぶりが長いと、お口のかたち、歯並びのかたちがそのようになっているため、指が入っていた隙間に下くちびるを巻き込む癖がつくケースがあります。この癖が続くと、上の前歯がさらに前に押し出され、出っ歯が進行してしまいます。下唇を巻き込んでいるお子さんには、お顔の皮膚に赤茶色のあと、つまりしみが見られたり、下くちびるの皮むけ、くちびるの荒れが見られたりするサインがあります。指しゃぶりをやめても、こうした代替の癖によって歯並びが悪くなり続けるケースがあるため、早めに気づいて対処することが大切です。気になる場合は、歯科医院で相談することをおすすめします。

Q5: 出っ歯になってしまったら治せますか?

はい、出っ歯になってしまっても、適切な矯正治療で改善することができます。当院では、保田矯正という複数の矯正装置を組み合わせるアプローチで治療を行っています。成長期のお子さんであれば、顎の成長を利用して出っ歯や噛み合わせの問題を改善でき、早めに治療を始めることで、将来的な抜歯や外科手術のリスクを減らすことができます。また、出っ歯を根本的に改善するには、原因となっている癖の改善も重要です。当院では、矯正治療と並行してMFT(口腔筋機能療法)による癖の改善もサポートしており、下唇を巻き込む癖や舌の位置の問題にアプローチすることで、治療後の後戻りを防ぎます。お子さんの歯並びが気になる場合は、早めにご相談いただくことをおすすめします。

【院長コメント】

良くない癖は家族みんなで、早めにやめることが大切

当院では3歳児検診に長く携わっていますが、相談されるベスト3のひとつが指しゃぶりです。それだけ多くの保護者様が、お子さんの癖に悩まれているということです。

おしゃぶりや指しゃぶりで気をつけていただきたいのは、良くない習癖は良くないループを生んでいくということです。おしゃぶりを長く使うと指しゃぶりに移行しやすく、指しゃぶりをやめても、指が入っていた隙間に下くちびるを巻き込む癖がついたり、タオルやハンカチを噛む癖を始めたりするお子さんがいます。そして、これらの癖が出っ歯をさらに進行させてしまうのです。

下唇を巻き込んでいるお子さんは、お顔の皮膚に赤茶色のしみが見られたり、下くちびるの皮むけや荒れが見られたりします。こうしたサインに早めに気づいてあげることが大切です。

癖への対応で最も大切なのは、なるべく早めにやめること、そしてその癖をやっている原因にアプローチすることです。ただやめさせようとするだけでなく、なぜその癖をしているのかを考えてあげてください。そして、お母さん一人で抱え込まず、本人と家族、みんなで取り組むことが大切です。

これは卒乳とも似ています。お子さんが飲みたがるからといって、ずっとあげているわけにはいきませんよね。お母さんの健康にも関わりますから。癖も同じで、お子さんが求めるからと続けさせるのではなく、適切な時期に家族みんなで卒業を目指しましょう。

【監修】
みかみ歯科医院 院長 印藤 浩子
スタッフ紹介ページ

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