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【歯列矯正】受け口(反対咬合)の治療法|マウスピース・ワイヤー・外科の違いを歯科医が解説

2026年7月8日

お子さんや自分の受け口が気になり、矯正治療を考え始めた方は多いのではないでしょうか。受け口は、矯正治療をしたい、させたいと思うきっかけの中で、最も多い相談のひとつです。

受け口の治療といっても、マウスピース矯正、ワイヤー矯正、外科矯正など、さまざまな方法があり、どれが自分に合っているのか分かりにくいものです。実は、受け口には種類があり、その種類によって適した治療法や、治療を始めるべきタイミングが大きく異なります。

この記事では、札幌市西区の「みかみ歯科医院」が、受け口の種類と治療法の違い、そして早めに相談することの大切さについて、矯正歯科の視点から詳しく解説します。

受け口(反対咬合)とは?

まずは、受け口がどのような状態なのかを理解しておきましょう。

下顎が前方に出ている噛み合わせ

受け口とは、いわゆる下顎が出ている状態の噛み合わせのことを指します。横から見たときに、上顎よりも下顎のほうが前方にある状態のことで、専門用語では反対咬合(はんたいこうごう)ともいわれます。

通常の噛み合わせでは、上の前歯が下の前歯を覆うように噛み合いますが、受け口の場合はその関係が逆転しています。見た目の印象だけでなく、噛みにくさ、発音のしづらさ、顎関節への負担など、機能面にも影響することがあります。

機能性の反対咬合と骨格性の反対咬合

受け口は、大きく2つのタイプに分けられます。

顎の大きさには問題がなく、歯並びだけが反対の噛み合わせをしている方を、機能性の反対咬合といいます。歯の傾きや位置が原因で起こるタイプで、比較的治療しやすいのが特徴です。

一方、顎の大きさを見たときに、相対的に下顎のほうが大きい方を、骨格性の反対咬合といいます。骨格そのものにずれがあるため、治療の難易度が高くなります。

自分の受け口がどちらのタイプなのかは、見た目だけでは判断が難しく、精密検査による診断が必要です。

骨格性の反対咬合を左右する2つのパターン

骨格性の反対咬合は、顎の大きさを上下で比較したときに、さらに2つのパターンに分けられます。この違いを知っておくことが、治療法を理解する上で重要です。

①上顎が小さいケース

1つ目は、上顎が平均よりも小さくて、下顎は平均的な大きさの場合です。

このパターンでは、下顎が大きいのではなく、上顎の成長が不足していることが原因で、相対的に受け口になっています。成長期のお子さんの場合、上顎の成長を促すような処置が必要になります。

上顎を前方に成長させることで、上下の顎のバランスを整え、受け口を改善していきます。

②下顎が大きいケース

2つ目は、上顎は平均的だけれど、下顎が大きい場合です。

このパターンでは、下顎そのものが大きいことが原因で受け口になっています。成長期の場合は、カムフラージュ治療を選択するか、外科矯正が必要になります。

カムフラージュ治療とは、骨格のずれはそのままにして、歯の傾きや位置を調整することで、見た目と噛み合わせを整える治療法です。骨格のずれが大きい場合は、外科手術を併用した外科矯正が必要になることもあります。

遺伝と成長予測

受け口は、遺伝的なものが大きく関係します。ご家族に受け口の方がいらっしゃる場合は、ある程度成長の予測ができる場合があります。

顔の形は親に似るといわれており、特に下顎の先端の形は遺伝の要素が強いとされています。家族的に受け口の方がいる場合は、お子さんが小さいうちから相談しておくことで、適切なタイミングでの治療につなげることができます。

受け口の矯正はマウスピースで治る?

受け口の治療を希望する方の中には、目立たないマウスピース矯正で治したいと考える方も多くいらっしゃいます。

軽度の機能性ならマウスピースで対応可能

軽度の機能性の反対咬合、つまり歯の傾きや位置が原因の軽度な受け口であれば、マウスピース矯正で改善が期待できるケースがあります。

マウスピース矯正は、透明で目立ちにくく、取り外しができるというメリットがあります。歯が数本だけ上下反対になっている、全体的なガタガタが少ない軽度の受け口であれば、マウスピースで歯の傾きを調整することで対応できる場合があります。

骨格性・重度は外科矯正やワイヤーが必要

一方、骨格性の反対咬合や、重度の受け口の場合は、マウスピース矯正だけでは対応が難しくなります。

歯を大きく動かす必要がある場合や、骨格的なずれが大きい場合は、ワイヤー矯正や外科矯正が必要になることがあります。マウスピース矯正が可能かどうかは、自己判断が難しいため、精密検査による診断が欠かせません。

当院の保田矯正(複数装置の組み合わせ)

当院では、保田矯正という独自のアプローチを採用しています。これは、マウスピースやワイヤーなど、どれか1つの装置に頼るのではなく、複数の装置を組み合わせることで、それぞれの長所を活かした治療を行う方法です。

アラインチューブ、スケルトン拡大装置、マイクロインプラント、マルチブラケット装置、アライナー(マウスピース)などを、患者様の症状に応じて組み合わせて使用します。

たとえば、成長期のお子さんで上顎が小さいケースでは、スケルトン拡大装置で上顎の成長を促し、鼻腔を広げて鼻呼吸を促進します。これにより、見た目の改善だけでなく、健康面も含めた総合的な治療が可能になります。マウスピース単独では対応が難しい受け口でも、複数の装置を組み合わせることで、より確実な治療を目指すことができます。

受け口を放置するリスク

受け口は、放置しておくと、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。

下の前歯の歯肉退縮

見落とされがちですが、機能性の反対咬合の方に特に注意していただきたいのが、下の前歯の歯肉退縮です。

噛み合わせが反対なことで、下の前歯に過剰な力がかかり、歯肉退縮(歯ぐきが下がること)が起こりやすくなります。一度歯肉退縮が起こると、これを改善するには難しい歯周外科が必要になります。

機能性の反対咬合の方は、年齢に関係なく治療が行えることが多いのですが、この歯肉退縮のリスクを考えると、大人になるまで様子をみるよりは、早めの介入が大切になります。

噛みにくさ・発音への影響・顎関節への負担

受け口は、上下の歯が正しく噛み合わないため、食べ物を噛みにくいという問題があります。また、前歯で食べ物を噛み切りにくく、発音にも影響が出ることがあります。

さらに、噛み合わせが反対になっていることで、顎関節に負担がかかりやすく、将来的に顎関節症のリスクが高まることもあります。

受け口治療は早めの相談が大切

受け口の治療で最も大切なのは、早めに相談することです。その理由を説明します。

上顎の成長は小学校低学年がピーク

上顎の成長は、小学校低学年くらいでピークを迎えてしまいます。

そのため、上顎が小さいことが原因の受け口の場合、このタイミングを逃してしまうと、上顎の成長を促す処置ができなくなることがあります。上顎の成長を促す治療ができないと、外科矯正の必要性が高くなってしまいます。

成長期にしかできない治療があるからこそ、早めの相談が重要なのです。成長を利用した治療を行うことで、外科手術を避けられる可能性が高まります。

3歳児検診で伝えていること

当院の院長は、自治体から委託された保健所の3歳児検診を担当しています。

その中で、乳歯の段階で反対咬合が疑われるお子さんの保護者様には、矯正をするかしないかではなく、早めに相談にだけは歯医者さんに行って、選択肢をたくさん持ってほしいと必ずお伝えしています。

早い段階で相談しておくことで、成長のタイミングを逃さず、より多くの治療の選択肢を持つことができます。これは、お子さんの将来にとって大きなメリットとなります。

選択肢を多く持つために

受け口の治療は、タイミングによって選べる治療法が変わってきます。

早めに相談すれば、成長を利用した治療、外科手術を避ける治療など、さまざまな選択肢の中から最適なものを選ぶことができます。逆に、タイミングを逃してしまうと、選べる治療法が限られ、外科矯正しか選択肢がなくなってしまうこともあります。

すぐに治療を始める必要はありません。まずは相談し、お子さんや自分の受け口がどのタイプなのか、どのような治療の選択肢があるのかを知っておくことが大切です。

まとめ:受け口は種類とタイミングを見極めて適切な治療を

受け口には、機能性の反対咬合と骨格性の反対咬合があり、骨格性はさらに上顎が小さいケースと下顎が大きいケースに分けられます。それぞれのタイプによって、適した治療法が異なります。

軽度の機能性であればマウスピース矯正で対応できることもありますが、骨格性や重度の場合はワイヤー矯正や外科矯正が必要になります。当院では、保田矯正による複数装置の組み合わせで、一人ひとりに最適な治療を提供しています。

上顎の成長は小学校低学年でピークを迎えるため、受け口の治療は早めの相談が何よりも大切です。札幌市西区の「みかみ歯科医院」では、受け口に関するご相談を承っております。矯正をするかしないかにかかわらず、まずはお気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1: 受け口はマウスピース矯正で治りますか?

軽度の機能性の反対咬合、つまり歯の傾きや位置が原因の軽度な受け口であれば、マウスピース矯正で改善が期待できるケースがあります。しかし、骨格性の反対咬合や重度の受け口の場合は、マウスピース矯正だけでは対応が難しく、ワイヤー矯正や外科矯正が必要になることがあります。マウスピース矯正が可能かどうかは、精密検査で受け口のタイプを診断した上で判断する必要があります。当院では、保田矯正という複数の装置を組み合わせるアプローチで、マウスピース単独では難しい症例にも対応しています。

Q2: 機能性と骨格性の受け口はどう違いますか?

機能性の反対咬合は、顎の大きさには問題がなく、歯並びだけが反対の噛み合わせをしているタイプです。歯の傾きや位置が原因のため、比較的治療しやすいのが特徴です。一方、骨格性の反対咬合は、顎の大きさを見たときに相対的に下顎のほうが大きいタイプで、骨格そのものにずれがあります。骨格性はさらに、上顎が小さいケースと、下顎が大きいケースに分けられ、それぞれ治療法が異なります。自分がどちらのタイプかは、見た目だけでは判断が難しいため、精密検査による診断が必要です。

Q3: 受け口の治療はいつから始めるべきですか?

受け口の治療は、早めの相談が大切です。特に、上顎が小さいことが原因の受け口の場合、上顎の成長は小学校低学年くらいでピークを迎えてしまうため、このタイミングを逃すと、上顎の成長を促す処置ができなくなることがあります。当院の院長は3歳児検診を担当しており、乳歯の段階で反対咬合が疑われるお子さんには、矯正をするかしないかではなく、早めに相談にだけは行って、選択肢をたくさん持ってほしいとお伝えしています。すぐに治療を始める必要はありませんが、早めに相談することで、治療の選択肢が広がります。

Q4: 受け口を放置するとどうなりますか?

受け口を放置すると、さまざまな問題が生じる可能性があります。特に機能性の反対咬合の方は、噛み合わせが反対なことで下の前歯に過剰な力がかかり、歯肉退縮(歯ぐきが下がること)が起こりやすくなります。一度歯肉退縮が起こると、改善には難しい歯周外科が必要になるため、早めの介入が大切です。また、食べ物を噛みにくい、発音に影響が出る、顎関節に負担がかかり将来的に顎関節症のリスクが高まるといった問題もあります。これらのリスクを避けるためにも、早めの相談をおすすめします。

Q5: 大人になってからでも受け口の矯正はできますか?

はい、大人になってからでも受け口の矯正は可能です。機能性の反対咬合であれば、年齢に関係なく治療が行えることが多いです。ただし、骨格性の反対咬合で骨格的なずれが大きい場合は、外科矯正が必要になることがあります。また、成長期にしかできない上顎の成長を促す治療は、大人になると行えないため、選択できる治療法が限られてしまいます。大人の受け口治療では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正、これらを組み合わせたコンビネーション治療などが選択肢となります。まずは精密検査で、ご自身の受け口のタイプと最適な治療法を確認することをおすすめします。

【院長コメント】

受け口は、矯正治療をしたい、させたいと思うきっかけの中で、最も多い相談のひとつです。だからこそ、正しい知識を持って治療に臨んでいただきたいと思っています。

受け口には機能性と骨格性があり、骨格性はさらに上顎が小さいケースと下顎が大きいケースに分けられます。特に上顎が小さいケースでは、上顎の成長は小学校低学年でピークを迎えてしまうため、タイミングを逃すと外科矯正が必要になることもあります。

当院ではは、自治体から委託された保健所の3歳児検診を担当しています。そこで、乳歯の段階で反対咬合が疑われるお子さんには、矯正をするかしないかではなく、早めに相談にだけは歯医者さんに行って、選択肢をたくさん持ってほしいと必ずお伝えしています。

当院で行っている保田矯正では、スケルトン拡大装置で上顎の成長を促し、鼻腔を広げて鼻呼吸を促進するなど、複数の装置を組み合わせた治療を行っています。受け口が気になる方は、ぜひ早めにご相談ください。

【監修】
みかみ歯科医院 院長 印藤 浩子
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