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子供の歯並びが悪い原因は顎が小さいから?放置リスクと正しい治療法

2026年6月9日

うちの子、歯並びがガタガタ。これって顎が小さいせいなのかな。成長したら自然に治るのだろうか。こうした不安を抱えている保護者様は、本当に多くいらっしゃいます。

実は、お子さんの歯並びが悪い原因の多くは、顎が小さく、永久歯が並ぶスペースが不足していることにあります。そして、顎が小さくなる原因には、遺伝だけでなく、日常の食生活や口呼吸、舌の位置など、さまざまな要因が関わっています。

顎が小さい状態を放置すると、歯並びだけでなく、滑舌、噛む機能、呼吸、姿勢、さらには顔立ちにまで影響が及ぶことがあります。しかし、ご安心ください。お子さんの顎の成長は、適切な時期に正しいアプローチを行うことで、改善することが可能です。

この記事では、札幌市西区の「みかみ歯科医院」が、子供の顎が小さいことで起こる歯並びへの影響、その原因、放置リスク、そして正しい治療法について、歯科医師の目線から詳しく解説します。

子供の顎が小さいと歯並びはどうなる?

まずは、顎が小さいことが歯並びにどのような影響を与えるのか見ていきましょう。

顎が小さい=歯が並ぶスペース不足

歯並びの良し悪しは、顎の大きさと歯の大きさのバランスで決まります。

歯の大きさが標準的でも、顎が小さければ、歯が並ぶための十分なスペースがありません。逆に、顎の大きさが標準的でも、歯が大きすぎれば、やはりスペースが不足します。

特に、近年では顎が小さくなっているお子さんが増えており、これが歯並びの悪さにつながる大きな要因となっています。

永久歯がガタガタに並んでしまう

スペースが不足した状態で永久歯が生えてくると、歯はきれいに並ぶことができません。

歯が重なり合ったり、傾いて生えてきたり、回転して生えてきたりして、いわゆる叢生(そうせい)と呼ばれるガタガタの歯並びになってしまいます。

乳歯の段階では歯と歯の間に隙間があるくらいが理想的とされています。乳歯がきれいに並びすぎている場合は、永久歯が生えてくる時にスペースが足りなくなる可能性が高く、注意が必要です。

出っ歯・受け口・八重歯のリスク

顎が小さいと、ガタガタの歯並び以外にも、さまざまな不正咬合のリスクが高まります。

上顎が小さい場合は、永久歯が前方に押し出されて出っ歯になることがあります。下顎が小さい場合は、上顎との関係で受け口に見えるケースもあります。また、犬歯が生えるスペースがないと、犬歯が上に飛び出して八重歯になることもあります。

これらの不正咬合は、見た目の問題だけでなく、機能的な問題も引き起こすため、早めの対応が大切です。

子供の顎が小さくなる原因

お子さんの顎が小さくなる原因には、先天的なものと後天的なものがあります。それぞれを詳しく見ていきましょう。

遺伝的要因(先天的)

顎の骨の形や大きさは、遺伝の影響を受けます。

ご両親のどちらかの顎が小さい場合、お子さんの顎も小さい可能性が高くなります。特に、顎の骨の特徴的な形や大きさは遺伝性が高いといわれています。

ただし、遺伝による顎の小ささは、成長期に正しく成長するように治療することで、顎の骨を広げられる可能性があります。ご両親の顎が小さい場合は、お子さんが小さいうちから歯科医師に相談しておくことをおすすめします。

柔らかい食事ばかり食べている

後天的な要因として、最も大きな影響を与えるのが食生活です。

現代の食事は、昔と比べて柔らかいものが多くなっています。ハンバーグ、パスタ、カレー、グラタンなど、子供が好む食事は、あまり噛まなくても飲み込めるものが中心です。

噛む回数が少ない食事を続けていると、顎の筋肉や骨が十分に刺激を受けられず、顎が発達しません。よく噛むことは、顎の成長を促す最も基本的で重要な刺激なのです。

口呼吸の習慣

口呼吸は、顎の発達に大きな影響を与える隠れた原因です。

口呼吸が習慣化しているお子さんは、お口ぽかんと開いた状態がデフォルトとなっており、唇を閉じる筋肉が衰えています。さらに、舌が下に落ちて低位舌の状態になり、舌が上あごを内側から押し上げる力が失われます。

その結果、上あごの正常な発達が妨げられ、顎が小さいまま成長してしまうのです。

低位舌(舌の位置が下がっている)

低位舌(ていいぜつ)とは、舌が本来あるべき位置よりも下に下がってしまっている状態のことです。

舌の正しい位置は、上あごの裏側の口蓋にあるスポットと呼ばれる、上顎前歯の裏側あたりの歯肉です。この位置に舌が軽く接していることで、舌が上あごを内側から押し上げ、上あごの発達を促しています。

私たちは、1日に1000回以上飲み込むという動作をしています。正しい舌の使い方をしていれば、その都度上顎は舌圧を受けていることになり、上顎の正しい成長を促しています。

しかし、低位舌の方は舌が下に落ちているため、上あごへの刺激が失われ、顎が成長しません。さらに、低位舌の多くは口呼吸であり、口呼吸の人はみんな低位舌です。この悪循環が、顎が小さくなる大きな原因となっています。

指しゃぶり・舌癖

幼少期の指しゃぶりや舌で歯を押す癖も、顎の発達に影響を与えます。

指しゃぶりが長期間続くと、前歯が前方に押し出され、開咬(前歯が噛み合わない状態)や出っ歯の原因となります。舌癖がある場合も、舌の力で歯や顎の形に影響が出ます。

これらの癖は、早期に改善することが大切です。

姿勢の悪さ

意外に思われるかもしれませんが、姿勢の悪さも顎の発達に影響を与えます。

猫背や前傾姿勢が習慣化していると、口が開きやすくなり、口呼吸を引き起こします。また、頬杖をつく癖は、顎に持続的な力をかけ、顎の左右のバランスを崩す原因にもなります。

姿勢を正すことは、口呼吸の改善にも、顎の発達にもつながります。

顎が小さいことで起こる歯並び以外の影響

顎が小さい状態は、歯並び以外にもさまざまな影響を引き起こします。

滑舌・発音への影響

顎が小さいと、歯が並ぶアーチも狭くなり、舌の可動範囲も小さくなります。

舌の動きが制限されると、滑舌や発音が悪くなることがあります。特に、サ行、タ行、ラ行など、舌の細かい動きが必要な発音が苦手になりやすいです。

出っ歯、開咬、受け口などでは、上下の前歯の間に隙間ができて空気が抜け、舌足らずな話し方になることもあります。

噛む機能の低下

顎が小さいと、噛む筋肉も発達しにくく、噛む力が弱くなります。

噛む力が弱いと、食べ物を十分に咀嚼できず、丸のみしてしまうことがあります。丸のみすると消化吸収が悪くなり、胃腸に負担がかかります。

また、よく噛むことは脳への刺激にもなりますので、噛む機能の低下は、お子さんの発達にも影響を与える可能性があります。

口呼吸の悪化

顎が小さいと、口腔内のスペースも狭くなり、舌が収まりにくくなります。

その結果、舌が下に落ちる低位舌の状態が定着し、口呼吸が悪化します。口呼吸が悪化すると、さらに顎の発達が妨げられるという悪循環に陥ります。

いびき・睡眠時無呼吸症候群リスク

下顎が小さいお子さんは、舌が後方に位置しやすく、気道が狭くなる傾向があります。

睡眠中に舌が喉の奥に落ち込むと、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因となります。睡眠の質が低下し、日中の眠気や集中力低下、成長への影響など、さまざまな悪影響があります。

顔立ち(口ゴボ・二重顎)への影響

顎が小さい状態は、お子さんの顔立ちにも影響を与えます。

上顎が小さい、または下顎が小さく後退していると、口ゴボと呼ばれる、口元が前に突出した顔立ちになりやすくなります。太っていないのに二重あごになる、顎のラインがすっきりしないという状態も、顎の発達不足が原因のことがあります。

幼少期の顎の発達は、将来の顔立ちにも大きな影響を与えるのです。

将来的な抜歯リスク

顎が小さいまま成長すると、永久歯が並ぶスペースが不足したまま大人になります。

成人してから矯正治療を行う場合、歯を並べるスペースを作るために、小臼歯を抜歯することが一般的です。健康な歯を抜くことは、できれば避けたいものです。

小児期に顎の発達を促しておくことで、将来的な抜歯リスクを大幅に減らすことができます。

顎の成長時期を知っておこう

顎の成長には、上顎と下顎で異なる時期があります。これを知っておくことが、適切な治療タイミングを判断する上で重要です。

上顎の成長時期(6〜10歳でほぼ決まる)

上顎の大きさは、6歳くらいから10歳くらいの間でほぼ決まると言われています。

上顎は、頭蓋骨の一部であり、脳の成長とともに早い段階で発達が完了します。そのため、上顎の幅を広げる治療は、この時期に行うのが最も効果的です。

10歳を過ぎてから上顎を広げようとすると、骨の縫合部(骨と骨をつなぐ部分)が硬くなり始めており、効果が出にくくなります。成人後にマイクロインプラントなどを併用すれば拡大は可能ですが、より大掛かりな治療が必要となります。

下顎の成長時期(思春期がピーク)

下顎の骨は、上顎よりも遅く成長します。

思春期に成長のピークを迎え、男の子は18歳ごろ、女の子は13歳ごろにほぼ決まると言われています。下顎の成長を促す治療は、思春期に合わせて行うのが効果的です。

このように、上顎と下顎で成長時期が異なるため、治療のタイミングも症状に応じて見極める必要があります。

治療の最適なタイミング

顎の発達を促す治療は、お子さんの成長期に合わせて行うことが重要です。

上顎の発達を促す場合は、6歳〜10歳頃が理想的です。下顎の発達を促す場合は、思春期に向けてアプローチします。骨格的な問題が大きい場合は、両方の時期に治療を組み合わせることもあります。

歯科医院で精密検査を受け、お子さんの成長段階に合わせた最適なタイミングを判断してもらいましょう。

子供の顎が小さい場合の治療法

顎が小さいお子さんに対する治療法について見ていきましょう。

拡大治療(スケルトン拡大装置)

顎を広げる治療として、当院ではスケルトン拡大装置を使用しています。

この装置は、上顎の幅を広げることで、永久歯が並ぶスペースを確保します。また、上あごが広がると、その上にある鼻腔も広がるため、鼻呼吸がしやすくなるという副次的なメリットもあります。

成長期のお子さんに使用するのが一般的ですが、当院では、マイクロインプラントを併用することで、成人の方でも拡大治療が可能です。

緩徐拡大の重要性

拡大治療には、急速拡大と緩徐拡大の2種類があります。

矯正学の世界的権威である、ノースキャロライナ大学のKenan教授、ウィリアム・プロフィット氏も著書の中で述べているように、拡大を行う場合には急速拡大ではなく、成長のスピードに合わせた緩徐拡大でなければなりません。

短期間で一気に拡大する急速拡大を行うと、お子さんの個性が失われたお顔になってしまう可能性があり、残念ながらもとに戻らないこともあります。具体的には、急速に拡大しすぎると、鼻腔底が広がるのに鼻の高さがついてこられず、鼻が低くなってしまうことがあります。

当院では、お子さんの成長のペースに合わせた緩徐拡大を採用しており、安全で確実な治療を行っています。

拡大の量と速度のルール

拡大治療には、拡大できる量にも限界があります。

歯の大きさには平均値が存在し、これらから計算すると、審美に関係してくる上の前歯6本分の幅は平均37mm程度という数値になります。この数値以上に広げすぎてしまうと、上下の歯がうまく噛み合わなくなったり、歯が骨からはみ出してしまったりといった問題が生じます。

つまり、顎が狭いからといって、好きなだけ拡大できるわけではありません。患者様の骨格や歯の大きさに合わせた、適切な拡大量を守ることが重要です。

矯正治療で多く用いられる拡大治療を、誤った拡大量と拡大スピードで行うと、お顔がよくない方向に変わってしまう可能性があり、もとに戻せなくなります。だからこそ、信頼できる歯科医師のもとで、適切な治療を受けることが大切です。

MFT(口腔筋機能療法)の併用

拡大治療と並行して、MFT(口腔筋機能療法)を行うことが効果的です。

MFTは、口の周りの筋肉や舌の筋肉を鍛えるトレーニングです。舌の正しい位置、唇の閉鎖力、嚥下のパターンなどを改善することで、顎の発達を促し、矯正治療の効果を高めます。

特に、低位舌や口呼吸の改善は、顎の発達にとって非常に重要です。

矯正治療(保田矯正)

当院では、保田矯正という独自のアプローチで矯正治療を行っています。

保田矯正は、複数の矯正装置を組み合わせる治療法で、お子さんの症状に応じて、アラインチューブ、スケルトン拡大装置、マイクロインプラント、マルチブラケット装置、アライナーなどを組み合わせて使用します。

これにより、効率的かつ確実な治療が可能となり、お子さんの顎の発達を最大限に促すことができます。

顎の発達を促すために家庭でできること

歯科医院での治療と並行して、家庭でも顎の発達を促すためにできることがあります。

①よく噛んで食べる習慣(一口30回)

最も基本的で大切なのは、よく噛んで食べる習慣をつけることです。

一口30回を目標に、しっかり噛みましょう。よく噛むことで、顎の筋肉や骨が刺激を受け、自然な成長が促されます。

最初は30回数えるのが大変かもしれませんが、習慣として身につけることで、お子さんの顎の発達に大きな影響を与えます。

②硬めの食材を取り入れる

柔らかい食事ばかりではなく、適度に硬めの食材を取り入れましょう。

スルメ、煮干し、野菜スティック、フランスパン、玄米、根菜類など、よく噛まないと食べられない食材を意識して取り入れます。ただし、お子さんが嫌がるほど硬いものは避け、楽しく食べられる範囲で工夫しましょう。

③鼻呼吸を意識させる

口呼吸を改善し、鼻呼吸を習慣化することは、顎の発達のためにも重要です。

普段から、お子さんに口を閉じて鼻で呼吸することを優しく声かけしましょう。寝ている間に口が開いてしまう場合は、口閉じテープを使用する方法もあります。

鼻づまりがある場合は、耳鼻咽喉科で原因を診てもらい、適切な治療を受けることをおすすめします。

④舌を正しい位置に置く

舌を正しい位置に置く習慣も、顎の発達には欠かせません。

リラックスしているときに、舌の先端が上の前歯の裏側のスポットに触れているかどうかを意識させましょう。最初は不自然に感じるかもしれませんが、続けることで自然と舌が正しい位置に収まるようになります。

⑤姿勢を正す

姿勢の悪さは、口呼吸や顎の発達不全につながります。

背筋を伸ばし、頭が首の真上にくるような姿勢を意識させましょう。スマートフォンやゲーム機を長時間使用するときの前傾姿勢にも注意が必要です。

⑥指しゃぶり・舌癖を改善

指しゃぶりや舌で歯を押す癖がある場合は、早めに改善することが大切です。

指しゃぶりは、3〜4歳までに自然と卒業することが多いですが、それ以降も続く場合は、歯科医院で相談しましょう。舌癖については、MFTで改善することができます。

子供の顎が小さいときに気をつけたい治療リスク

顎を広げる治療には、注意すべきリスクもあります。

急速拡大による鼻が低くなるリスク

前述の通り、急速に拡大しすぎると、鼻が低くなるリスクがあります。

成長を無視した速いスピードで拡大すると、広がった鼻腔底の幅に対して、顔の表側にある鼻の高さがついてこられず、結果的に鼻が低く見えてしまいます。

このリスクを避けるためには、成長のスピードに合わせた緩徐拡大を行うことが重要です。

拡大しすぎによる骨格への悪影響

拡大の量を守らないことも、骨格に悪影響を与える原因となります。

上顎の前歯6本の幅で平均37mmを超えて広げすぎると、上下の歯が噛み合わなくなったり、歯が骨からはみ出してしまったりといった問題が生じます。

個性が失われる可能性

誤った拡大量とスピードで治療を行うと、お子さんが本来持っていた顔立ちの個性が失われてしまうこともあります。

特に、鼻が低くなってしまった場合、その変化はもとに戻らない可能性が高いです。成長期を過ぎてからでは、骨格を元の状態に戻すことは非常に難しく、外科手術が必要になることもあります。

正しい診断・治療計画が重要

これらのリスクを避けるためには、正しい診断と治療計画が欠かせません。

精密検査でお子さんの骨格、歯の大きさ、成長段階を詳しく分析し、適切な拡大量と拡大スピードを科学的に算出することが重要です。経験豊富な歯科医師のもとで治療を受けることをおすすめします。

当院の保田矯正と顎を広げる治療

札幌市西区の「みかみ歯科医院」では、保田矯正による顎を広げる治療を提供しています。

スケルトン拡大装置で緩徐拡大

当院では、スケルトン拡大装置を用いた緩徐拡大を採用しています。

お子さんの成長のペースに合わせて、ゆっくりと時間をかけて歯列を拡大することで、骨格や顔立ちに無理な変化を与えることなく、自然な成長を促します。

緩徐拡大は、矯正学の権威であるプロフィット教授も推奨している、安全で確実な治療法です。

歯列拡大で鼻呼吸を促進

歯列を拡大することで、上あごの幅が広がり、その上にある鼻腔も広がります。これにより、鼻呼吸がしやすくなり、口呼吸から鼻呼吸への切り替えが促されます。

鼻呼吸ができるようになると、低位舌の改善、舌の正しい位置の獲得、唇の閉鎖力の回復など、さまざまな機能改善が連鎖的に起こります。これらの改善が、さらに顎の発達を促す好循環を生み出します。

アラインチューブで叢生治療

すでにガタガタの歯並びが始まっているお子さんには、アラインチューブを併用します。

アラインチューブは、叢生(歯のガタガタ)の改善に特化した装置で、効率的に永久歯を並べるスペースを作ることができます。

複数装置の組み合わせ

当院では、複数の装置を組み合わせる保田矯正により、お子さん一人ひとりの症状に最適な治療を提供しています。

スケルトン拡大装置、アラインチューブ、マイクロインプラント、マルチブラケット装置、アライナーなど、それぞれの装置の長所を活かして、効率的かつ確実な治療を行います。

顎の成長を見逃すと将来どうなる?

顎が小さい状態を放置すると、将来的にさまざまな問題が生じる可能性があります。

大人になってから抜歯が必要に

最も多いのが、成人後の矯正治療で抜歯が必要になるケースです。

子供のうちに顎の発達を促す治療を行わなかった場合、永久歯が並ぶスペースが不足したまま大人になります。成人後に矯正治療を行うには、歯を並べるスペースを作るために、小臼歯を抜歯することが一般的です。

健康な歯を抜くことは、できれば避けたいもの。小児期の早めの対応で、抜歯を避けられる可能性が高まります。

骨格的な問題に発展する可能性

顎の発達不足は、骨格的な問題に発展することもあります。

下顎が小さいまま成長すると、骨格的な下顎後退症となる可能性があります。上顎が小さいと、上顎前突や口ゴボの原因となります。これらの骨格的な問題は、成人になってから治療するのが難しく、より大掛かりな治療が必要となります。

外科手術が必要になることも

骨格的な問題が大きい場合は、矯正治療と外科手術を組み合わせた外科的矯正治療が必要になることもあります。

骨切り手術は、全身麻酔下で行われ、入院も必要となります。患者様の負担も大きく、できれば避けたいものです。

成長期に矯正治療を始めると、骨格的な問題が大きくならずに済むケースも多くなりますので、相談は早めがよいといえます。

早期相談のすすめ|成長期にしかできない治療

顎の発達を促す治療は、お子さんの成長期にしかできない貴重な治療です。

小学生からの相談が理想

上顎の成長は6歳〜10歳でほぼ決まるため、小学校低学年からの相談が理想的です。

ガタガタの歯並びがまだ目立たない段階でも、顎の大きさや成長の予測から、将来的な歯並びの問題を予測することができます。早めの相談で、予防的な治療を始めることが可能です。

成長を利用した治療のメリット

成長期の治療には、大人の治療にはない大きなメリットがあります。

顎の成長を利用することで、抜歯を避けられる、外科手術を回避できる、より自然な歯並びを実現できる、口呼吸や低位舌などの機能改善も同時に行えるなど、多くのメリットがあります。

精密検査で適切な判断を

早期相談の際は、精密検査でお子さんの状態を詳しく調べることが大切です。

当院では、口腔内スキャナー、CT撮影、セファロ分析などを用いて、お子さんの骨格、歯の状態、成長段階を総合的に評価します。これにより、お子さんに最適な治療計画をご提案できます。

まとめ:子供の顎が小さくても早期対応で歯並びは改善できる

子供の歯並びが悪い原因の多くは、顎が小さく、永久歯が並ぶスペースが不足していることにあります。顎が小さくなる原因は、遺伝的要因だけでなく、柔らかい食事、口呼吸、低位舌、指しゃぶり、姿勢の悪さなど、さまざまです。

顎が小さい状態を放置すると、ガタガタの歯並び、出っ歯、受け口、八重歯などの問題だけでなく、滑舌、噛む機能、呼吸、いびき、顔立ち、将来的な抜歯リスクなど、多くの悪影響が生じます。

しかし、お子さんの成長期に適切な治療を行うことで、これらの問題は予防・改善することができます。スケルトン拡大装置による緩徐拡大、MFTによる機能改善、保田矯正による複数装置の組み合わせ治療など、お子さん一人ひとりに合わせたアプローチが可能です。

札幌市西区の「みかみ歯科医院」では、お子さんの顎の発達を促し、健康と歯並びを両立させた治療を提供しています。お子さんの歯並びや顎の大きさが気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1: 子供の顎が小さいのは遺伝ですか?

顎の骨の形や大きさは、遺伝の影響を受けます。ご両親のどちらかの顎が小さい場合、お子さんの顎も小さい可能性が高くなります。ただし、顎が小さくなる原因は遺伝だけではありません。後天的な要因として、柔らかい食事ばかり食べている、口呼吸の習慣、低位舌、指しゃぶり、舌癖、姿勢の悪さなどが大きく影響します。特に、現代の食事は柔らかいものが多く、噛む回数が少ないことが顎の発達不足を招いています。遺伝による顎の小ささであっても、成長期に正しい治療を行うことで、顎の骨を広げられる可能性があります。ご両親の顎が小さい場合は、お子さんが小さいうちから歯科医師に相談しておくことをおすすめします。早めの対応で、健康で美しい歯並びを実現できます。

Q2: 顎が小さい子供は必ず歯並びが悪くなりますか?

顎が小さいからといって、必ずしも歯並びが悪くなるわけではありません。歯並びの良し悪しは、顎の大きさと歯の大きさのバランスで決まります。顎が小さくても、歯も小さければバランスが取れて、きれいに並ぶこともあります。ただし、顎が小さい子供は、歯が並ぶスペースが不足しやすく、ガタガタの歯並び、出っ歯、受け口、八重歯などのリスクが高まる傾向にあります。また、顎が小さいことで、滑舌の悪化、噛む機能の低下、口呼吸の悪化、いびき、口ゴボや二重あごなどの顔立ちへの影響、将来的な抜歯リスクなど、さまざまな悪影響が生じる可能性があります。お子さんの顎が小さいかもしれないと感じたら、早めに歯科医院で精密検査を受けて、適切な対応を検討することをおすすめします。

Q3: 顎を大きくする方法はありますか?

はい、お子さんの成長期であれば、顎を大きくする治療が可能です。当院で行っている保田矯正では、スケルトン拡大装置を用いた緩徐拡大により、上顎の幅を広げる治療を提供しています。緩徐拡大は、お子さんの成長のペースに合わせて、ゆっくりと時間をかけて歯列を拡大する方法で、骨格や顔立ちに無理な変化を与えることなく、自然な成長を促します。また、家庭でも、よく噛んで食べる習慣(一口30回)、硬めの食材を取り入れる、鼻呼吸を意識させる、舌を正しい位置に置く、姿勢を正す、指しゃぶり・舌癖を改善するといった日常的な取り組みが、顎の発達を促します。歯科医院での治療と家庭でのサポートを組み合わせることで、より効果的に顎の成長を促すことができます。

Q4: 子供の顎が小さい場合、いつから治療を始めるべきですか?

上顎の大きさは6歳から10歳くらいの間でほぼ決まると言われているため、上顎の発達を促す治療は、この時期に行うのが最も効果的です。下顎の骨は思春期に成長のピークを迎え、男の子は18歳ごろ、女の子は13歳ごろにほぼ決まります。下顎の発達を促す治療は、思春期に合わせて行います。理想的には、小学校低学年から相談を開始することをおすすめします。ガタガタの歯並びがまだ目立たない段階でも、顎の大きさや成長の予測から、将来的な歯並びの問題を予測することができ、予防的な治療を始めることができます。成長期にしかできない治療のメリットを最大限に活かすためにも、早めの相談が大切です。当院では、精密検査でお子さんの状態を詳しく調べ、最適な治療開始時期をご提案いたします。

Q5: 顎を広げる治療にリスクはありますか?

顎を広げる治療には、いくつかのリスクがあるため、注意が必要です。最も気をつけたいのは、急速に拡大しすぎることによる鼻が低くなるリスクです。成長を無視した速いスピードで拡大すると、鼻腔底が広がるのに鼻の高さがついてこられず、鼻が低くなってしまうことがあります。また、拡大の量を守らないことも問題で、上顎の前歯6本の幅で平均37mmを超えて広げすぎると、上下の歯が噛み合わなくなったり、骨格に悪影響を与えたりすることがあります。これらのリスクを避けるためには、矯正学の権威であるプロフィット教授も推奨する緩徐拡大、つまり成長のスピードに合わせたゆっくりとした拡大が重要です。当院では、精密検査でお子さんの骨格、歯の大きさ、成長段階を詳しく分析し、適切な拡大量と拡大スピードを科学的に算出した上で、安全な治療を行っています。

【院長コメント】

顎の成長は時期が限られる。早期相談で健康と歯並びを両立

長年、お子さんの矯正治療に携わってきた経験から申し上げますと、子供の歯並びの問題の多くは、顎が小さいことに起因しています。そして、顎が小さくなる原因は遺伝だけでなく、現代の食生活や口呼吸、低位舌など、生活習慣に大きく影響されているのが現状です。

特に私が強調したいのは、顎の成長には限られた時期しかないということです。上顎は6歳から10歳でほぼ決まり、下顎は思春期にピークを迎えます。この時期を逃すと、顎を広げる治療が難しくなり、大人になってから矯正治療を行う際には、健康な歯を抜歯するという選択を迫られることが多くなります。

当院で行っている保田矯正では、スケルトン拡大装置による緩徐拡大を採用しています。これは、矯正学の世界的権威であるノースキャロライナ大学のプロフィット教授も推奨している、安全で確実な治療法です。お子さんの成長のペースに合わせて、ゆっくりと時間をかけて顎を広げることで、骨格や顔立ちに無理な変化を与えることなく、自然な成長を促します。

特に重要なのは、急速拡大による鼻が低くなるリスクを避けることです。成長を無視した速いスピードで拡大すると、お子さんの個性が失われたお顔になってしまう可能性があり、もとに戻らない可能性が高いです。だからこそ、緩徐拡大という安全な方法を採用しているのです。

また、顎を広げることで、その上にある鼻腔も広がり、鼻呼吸がしやすくなります。鼻呼吸ができるようになると、低位舌の改善、舌の正しい位置の獲得、唇の閉鎖力の回復など、さまざまな機能改善が連鎖的に起こります。これらの改善が、さらに顎の発達を促す好循環を生み出すのです。

きれいになるための矯正治療は間違っていません。でも、私は健康できれいになってほしいと願っています。お子さんの顎が小さい、歯並びが気になるという保護者様は、ぜひ早めにご相談ください。成長期にしかできない治療のメリットを最大限に活かして、お子さんの健康な将来をサポートいたします。

【監修】
みかみ歯科医院 院長 印藤 浩子
スタッフ紹介ページ

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