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大人の矯正は何歳まで?年齢より大切な2つの健康を歯科医が解説

2026年7月31日

歯並びを治したいけれど、もう年齢的に遅いのではないか。40代、50代、60代になってから矯正を始めても大丈夫なのか。こうした不安から、治療を諦めてしまう方は少なくありません。

大人の矯正は何歳までできるのか。結論からお伝えすると、健康であればいくつになっても可能ですというのが答えになります。ただし、この健康という言葉には、単に若いか年配かという意味を超えた、重要な意味が含まれています。

この記事では、札幌市西区の「みかみ歯科医院」が、大人の矯正における年齢の考え方と、年齢よりもはるかに大切な2つの健康について、歯科医師の目線から詳しく解説します。

大人の矯正は何歳まで?結論は健康であれば可能

大人の矯正に、明確な年齢制限はありません。

40代でも、50代でも、60代でも、条件が整っていれば矯正治療を受けることができます。歯を動かすという原理は、年齢に関係なく同じだからです。

ただし、ここで大切なのが健康という条件です。この健康とは、身体の健康と歯の健康の2点、両方を指します。単なる数字としての年齢だけでは、矯正治療の可能性は決まりません。年齢よりも、この2つの健康状態のほうがはるかに重要なのです。

大人の矯正に関わる①身体の健康

まず、身体の健康について詳しく見ていきましょう。

骨の病気・骨の代謝に関わる疾患

矯正治療は、歯を支える骨の代謝を利用して歯を動かす治療です。そのため、骨の病気に関するものや、骨の代謝に関するものが、治療の可否に関係します。

具体的な病名としては、骨粗しょう症、がん、リウマチ、糖尿病などが挙げられます。これらの疾患をお持ちの場合や、その治療のために骨の代謝に影響する薬を服用されている場合は、矯正治療が難しいことがあります。

ただし、これらの疾患があるからといって、すぐに矯正治療ができないと決まるわけではありません。病状や治療内容によって判断が変わりますので、まずはご相談ください。

消炎鎮痛剤が歯の動きを阻害する

意外に思われるかもしれませんが、炎症を抑える薬を常に飲んでいないことも、矯正治療の重要な条件です。

矯正とは、歯を動かす行為です。歯に力をかける矯正力は、実は人為的に炎症を起こす行為なのです。歯に力がかかると、骨が吸収されたり作られたりする反応が起こり、それによって歯が動いていきます。この反応には、炎症の仕組みが関わっています。

そのため、NSAIDのような消炎鎮痛剤を常時服用されている場合、歯の動きを阻害することになり、矯正治療が行えないことがあります。けがの治療中の方、なんらかの疾患の治療のために服用している方、痛み止めとして常用している方などが該当します。

年齢が進むと慢性疾患のリスクが高まる

年齢が進むと、こういった薬が必要な慢性疾患を抱えるリスクが高くなります。そのため、高齢になるほど矯正治療が難しくなる場合があるのは事実です。

しかし、これはあくまで健康状態の問題であって、年齢そのものが問題ではありません。年齢を重ねていても、身体が健康で、常用薬に問題がなければ、矯正治療は十分に可能です。

大人の矯正に関わる②歯の健康

もう一つの条件が、歯の健康です。

矯正治療は、歯を支える骨と歯ぐきの上に成り立つ治療です。虫歯や歯周病が進行している状態では、まずそちらの治療を優先する必要があります。

特に歯周病は、歯を支える骨が減っていく病気です。骨が十分にない状態で歯を動かすと、歯がぐらついたり、さらに骨が失われたりするリスクがあります。矯正治療を始める前に、歯周病の治療をしっかり行い、お口の環境を整えることが大切です。

逆に言えば、歯と歯ぐきが健康であれば、年齢に関わらず矯正治療を進めることができます。

治療期間によって選択肢が変わる

大人の矯正では、治療期間の長さも判断材料になります。

全顎的な矯正治療、つまりお口全体を治す治療ですと、年単位での治療期間になります。そのため、健康状態によっては難しい場合があります。

一方、部分的な矯正治療の場合であれば、期間が短くて済みます。期間が短ければ、主治医と相談することで薬の種類を変えることで対応できる場合もあります。

つまり、全体矯正は難しくても、部分矯正なら可能というケースもあるのです。年齢や持病を理由に一律に諦めるのではなく、どのような治療なら可能かを一緒に考えることが大切です。

大人でも歯列を広げる治療ができる

大人の矯正で、もう一つお伝えしたいことがあります。

かつては、歯列を広げる拡大治療は、子供のときにしかできないとされていました。しかし、当院で行っている保田矯正では、拡大は成長期だけでなく、年齢に関係なく成人でも行うことができます。

大人の上あごは、真ん中の骨のつなぎ目である口蓋縫合が骨化しているため、通常の方法では広げることが難しいのですが、マイクロインプラントという矯正用の小さなネジを用いることで、成人でも歯列を拡大できるようになりました。

歯列を広げることができれば、抜歯の可能性が減るだけでなく、上あごの上にある鼻腔も広がり、鼻呼吸がしやすくなります。大人だからできることが限られている、というわけではないのです。

人生100年時代、矯正を始める意味

年齢を理由に矯正を諦めようとされている方に、ぜひ考えていただきたいことがあります。

60歳でも、あと40年ある

人生100年と考えると、60歳で治しても、あと40年近くあるかもしれません。

40年という年月は、決して短くありません。その長い期間を、噛みにくい歯並び、磨きにくい歯並びのまま過ごすのか、それとも整った歯並びで過ごすのか。この違いは、生活の質に大きく関わってきます。

歯並びは口腔内の寿命を左右する

矯正治療の価値は、審美性についてだけではありません。

歯並びが整っていることで、ご自身の口腔内の寿命が大幅に違ってきます。歯が重なっていたり、噛み合わせがずれていたりすると、歯ブラシが届きにくく虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、特定の歯に過剰な力がかかり、その歯の寿命を縮めてしまうこともあります。

歯並びを整えることは、将来にわたって自分の歯を守るための投資でもあるのです。だからこそ、年齢だけであきらめずに、治したいと思ったら相談してほしいと、当院では考えています。

きれいになるための矯正治療は間違っていません。でも、私たちは健康できれいになってほしいと願っています。

まとめ:年齢ではなく健康状態で判断しましょう

大人の矯正は何歳までできるのか。結論は、健康であればいくつになっても可能です。この健康とは、身体の健康と歯の健康の2点、両方を指します。

身体の健康では、骨粗しょう症、がん、リウマチ、糖尿病などの疾患や、消炎鎮痛剤を常時服用していないかが関係します。矯正力は人為的に炎症を起こす行為であるため、炎症を抑える薬は歯の動きを阻害するのです。歯の健康では、虫歯や歯周病が安定していることが条件になります。

全体矯正は難しくても、部分矯正であれば期間が短く、主治医と相談して薬の種類を変えることで対応できる場合もあります。また、当院の保田矯正では、成人でも歯列拡大が可能です。

単なる数字としての年齢だけでは、矯正治療の可能性は決まりません。札幌市西区の「みかみ歯科医院」では、年齢を理由に諦めず、治したいと思ったらぜひご相談いただきたいと考えています。

よくある質問(FAQ)

Q1: 大人の矯正は何歳までできますか?

結論としては、健康であればいくつになっても可能です。矯正治療に明確な年齢制限はなく、40代、50代、60代でも条件が整っていれば治療を受けることができます。ただし、この健康とは、身体の健康と歯の健康の2点、両方を指します。身体の健康では、骨の病気や骨の代謝に関わる疾患がないこと、炎症を抑える薬を常に飲んでいないことが関係します。歯の健康では、虫歯や歯周病が安定していることが条件です。年齢が進むと、こうした薬が必要な慢性疾患を抱えるリスクが高くなるため難しい場合もありますが、単なる数字としての年齢だけでは矯正治療の可能性は決まりません。年齢だけで諦めず、まずはご相談ください。

Q2: 持病があると矯正治療はできませんか?

持病の種類や状態によって判断が異なります。矯正治療に影響する可能性がある疾患としては、骨粗しょう症、がん、リウマチ、糖尿病などが挙げられます。これらは骨の病気や骨の代謝に関わるため、歯を動かす治療に影響することがあります。ただし、これらの疾患があるからといって、必ずしも矯正治療ができないと決まるわけではありません。病状や治療内容によって判断が変わります。また、全顎的な矯正治療は年単位の期間がかかるため難しくても、部分的な矯正治療であれば期間が短く、主治医と相談することで対応できる場合もあります。まずは現在の状態をお伝えいただき、一緒に検討させてください。

Q3: 痛み止めを飲んでいると矯正できないのはなぜですか?

矯正とは歯を動かす行為ですが、歯に力をかける矯正力は、人為的に炎症を起こす行為なのです。歯に力がかかると、骨が吸収されたり作られたりする反応が起こり、それによって歯が動いていきます。この反応には、炎症の仕組みが深く関わっています。そのため、NSAIDのような消炎鎮痛剤を常時服用されていると、この炎症反応が抑えられてしまい、歯の動きを阻害することになります。けがの治療中の方、なんらかの疾患の治療のために服用している方、痛み止めとして常用している方などが該当します。ただし、部分的な矯正で期間が短ければ、主治医と相談して薬の種類を変えることで対応できる場合もありますので、ご相談ください。

Q4: 大人でも歯列を広げる治療はできますか?

はい、できます。かつては、歯列を広げる拡大治療は子供のときにしかできないとされていましたが、当院で行っている保田矯正では、拡大は成長期だけでなく年齢に関係なく成人でも行うことができます。大人の上あごは、真ん中の骨のつなぎ目である口蓋縫合が骨化しているため通常の方法では広げにくいのですが、マイクロインプラントという矯正用の小さなネジを用いることで、成人でも歯列を拡大できるようになりました。歯列を広げることができれば、抜歯の可能性が減るだけでなく、上あごの上にある鼻腔も広がり、鼻呼吸がしやすくなるというメリットもあります。大人だから選択肢が限られる、というわけではありません。

Q5: 60代から矯正を始める意味はありますか?

十分にあると考えています。人生100年と考えると、60歳で治しても、あと40年近くあるかもしれません。その長い期間を、噛みにくい歯並び、磨きにくい歯並びのまま過ごすのか、整った歯並びで過ごすのかで、生活の質は大きく変わります。また、矯正治療の価値は審美性についてだけではありません。歯並びが整っていることで、ご自身の口腔内の寿命が大幅に違ってきます。歯が重なっていると歯ブラシが届きにくく虫歯や歯周病のリスクが高まりますし、特定の歯に過剰な力がかかってその歯の寿命を縮めてしまうこともあります。歯並びを整えることは、将来にわたって自分の歯を守るための投資でもあるのです。

【院長コメント】

年齢という数字だけで、矯正の可能性は決まりません

大人の矯正は何歳までできますか、というご質問をよくいただきます。私の答えは、健康であればいくつになっても可能です、というものです。

ここでいう健康とは、身体の健康と歯の健康の2点、両方を指します。身体の健康というところでいうと、骨の病気に関するもの、骨の代謝に関するもの、そして炎症を抑える薬を常に飲んでいないことが関係します。具体的には、骨粗しょう症、がん、リウマチ、糖尿病などです。

特にお伝えしたいのが、消炎鎮痛剤の話です。矯正とは歯を動かす行為であり、歯に力をかける矯正力は、実は人為的に炎症を起こす行為なのです。そのため、NSAIDのような消炎鎮痛剤を常時服用されていると、歯の動きを阻害する薬になるため、矯正治療が行えないことがあります。年齢がすすむと、こういった薬が必要な慢性疾患をかかえるリスクが高くなるため、難しい場合があるのです。

しかし、単なる数字としての年齢だけでは、矯正治療の可能性は決まりません。全顎的な矯正治療ですと年単位での治療期間になるので難しい場合がありますが、部分的な矯正治療であれば、期間が短ければ、主治医と相談することで薬の種類を変えることで対応できる場合もあります。

人生100年と考えると、60歳でなおしても、あと40年近くあるかもしれません。審美性についてだけでなく、歯並びが整っていることで、ご自身の口腔内の寿命が大幅に違ってきます。だからこそ、年齢だけであきらめずに、治したいと思ったら相談してほしいと、私の医院では考えています。

きれいになるための矯正治療は間違っていません。でも、私は健康できれいになってほしいと願っています。年齢を理由に諦めていた方も、ぜひ一度ご相談ください。

【監修】

みかみ歯科医院 院長 印藤 浩子

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