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唇を舐める癖が叢生の原因に?巻き込みグセと歯並びの関係を歯科医が解説
2026年7月31日

唇を舐める癖が、実は歯並びを悪くする原因になっていることをご存知でしょうか。特に、歯がガタガタに重なり合う叢生(そうせい)と、唇を舐める癖には、意外な関係があります。
多くの方は、唇を舐めるという行為を、単に唇が乾いたときにする無害な動作だと思っています。しかし、その多くは無意識の癖であり、口唇を内側に巻き込むように舐めていることがほとんどです。この巻き込む力が、歯並びに大きな影響を与えているのです。
この記事では、札幌市西区の「みかみ歯科医院」が、唇を舐める癖の正体と、それが叢生を招くメカニズム、そして原因から治すためのアプローチについて、歯科医師の目線から詳しく解説します。
唇を舐める癖の正体は口唇の巻き込みグセ
まずは、唇を舐める癖がどのような行為なのかを正しく理解しておきましょう。
無意識で唇を内側に巻き込んでいる
唇を舐めるという行為、癖は、自分で意識してしようとする場合は、舌を出して舐めるということもあるかもしれません。しかし、多くの場合、無意識で行う癖の場合は、口唇を内側に巻き込むように舐めるケースがほとんどです。
つまり、外から見ると単に唇を舐めているように見えても、実際には唇を内側に巻き込む動きが伴っていることが多いのです。この口唇の巻き込みグセこそが、歯並びに影響を与える正体です。
意識的に舐めるケースとの違い
意識的に舌を出して唇を舐める場合は、舌が外に出る動きが中心です。一方、無意識の巻き込みグセは、唇そのものを口の中に巻き込む動きが特徴です。
この違いは重要です。なぜなら、唇を内側に巻き込む力が、歯を内側に押し込むように働き、歯並びを乱していくからです。無意識で行われるため、本人も周りの家族も気づきにくく、長期間続いてしまうことが多いのが特徴です。
唇を舐める(巻き込む)癖のサイン

自分やお子さんが口唇の巻き込みグセを持っているかどうかは、いくつかのサインで見分けることができます。
成人のサイン(リップ・グロスがすぐ落ちる、唇が荒れる)
口唇の巻き込みグセを行っている成人の方のサインとしては、次のようなものがあります。
リップをきれいに塗ったのに、いつのまにか落ちている。食事をしたわけでもないのに、グロスがすぐはげる、落ちる。こうした経験がある方は、無意識のうちに唇を巻き込んでいる可能性があります。唇を内側に巻き込む動きによって、塗ったリップやグロスがこすれて落ちてしまうのです。
また、唇が荒れやすいというのも、巻き込みグセのサインの一つです。常に唇を巻き込んだり舐めたりすることで、唇の乾燥や荒れが起こりやすくなります。
子供のサイン(口周りの赤茶色い跡)
お子さんで口唇を巻き込んでいる子は、唇の周りのお顔の皮膚が、巻き込んだかたちに赤茶色く跡がついている場合があります。
これは、繰り返し唇を巻き込むことで、その部分の皮膚に刺激が加わり、色素沈着のような跡が残るためです。お子さんの口の周りに、唇に沿った赤茶色いあとが見られたら、巻き込みグセを持っている可能性が高いと考えられます。
こうしたサインに早めに気づいてあげることが、歯並びの乱れを防ぐ第一歩となります。
唇を舐める癖が叢生を招くメカニズム

では、唇を舐める癖、つまり口唇の巻き込みグセが、どのようにして叢生を招くのでしょうか。そのメカニズムを見ていきましょう。
巻き込む力が歯を内側に押し込む
口唇を内側に巻き込む力がかかることで、歯を内側に押し込むような力がかかります。
歯並びは、舌が内側から押す力と、唇や頬が外側から支える力の絶妙なバランスの上に成り立っています。しかし、唇を巻き込む癖があると、唇が歯を過剰に内側へ押し込む力が加わり、このバランスが崩れてしまいます。その結果、歯が本来の位置からずれ、歯並びが乱れていくのです。
下唇の巻き込み(下前歯の傾斜・叢生・下顎後退)
下くちびるを巻き込む癖がある場合は、いくつかのパターンで歯並びに影響が出ます。
下の前歯が内側に倒れるように傾斜したり、重なって叢生になったりする場合があります。下唇が下の前歯を内側に押し込むことで、前歯が舌側に傾き、歯が並ぶスペースが狭くなって重なり合ってしまうのです。
また、下顎そのものが後方に押し込まれるケースもあります。下唇を巻き込む力が下顎全体を後ろに押しやることで、下顎が後退した状態になることがあります。
上顎前突(出っ歯)につながるケース
下唇を巻き込む癖は、上の前歯にも影響します。
巻き込んだ下くちびるの上に上顎前歯が乗ることになり、上顎前突、いわゆる出っ歯がひどくなる場合もあります。下唇が下の前歯の内側に入り込むと、その上に上の前歯が乗るような位置関係になり、上の前歯が前方に押し出されていくのです。
このように、下唇の巻き込みひとつで、下の歯の叢生と上の歯の出っ歯が同時に進行することもあります。
上下巻き込みで歯列が狭くなる
上下ともに巻き込んでいるような場合、つまり上下のくちびるを内側に巻き込んでいるような場合は、上顎、下顎ともに不自然に内向きに傾斜したような歯並びになります。
また、一番力がかかる部分だけが内側に倒れ、他の部分の叢生がひどくなるといったケースも見られます。巻き込む力のかかり方によって、歯列全体が影響を受けるのです。
一言で表現すると、くちびるを舐める力のせいで、歯列が狭くなることが多い、ということになります。歯列が狭くなれば、歯が並ぶスペースが不足し、叢生が進行していきます。
叢生を放置するリスク
唇を舐める癖による叢生を放置すると、さまざまな問題が生じます。
歯が重なり合っていると、歯ブラシが届きにくい部分ができ、汚れが溜まりやすくなります。その結果、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、噛み合わせが乱れることで、食べ物を噛みにくくなったり、発音に影響が出たりすることもあります。
さらに、原因となっている唇の巻き込みグセが続く限り、歯並びはさらに悪化していく可能性があります。良くない癖は、良くないループを生んでいくため、早めに気づいて対処することが大切です。
唇を舐める癖と叢生の治し方

唇を舐める癖による叢生を改善するためには、正しいアプローチが必要です。
まず原因を知ることが大切
叢生を治すためには、まず原因が何か、どうしてそういう歯並びになっているのかを知ることが大切です。
唇の巻き込みグセが原因の叢生であれば、歯を並べるだけでは不十分です。原因となっている癖を改善しなければ、矯正治療で歯並びを整えても、再び歯が動いて後戻りしてしまう可能性があるからです。当院では、なぜその歯並びになっているのか、原因を丁寧に診査することを大切にしています。
保田矯正は原因から治す
当院で行っている保田矯正は、原因から治すことを考える矯正治療です。
叢生には、顎が小さくて歯が並びきれずに重なっている場合と、顎の大きさは問題ないけれど歯が平均より大きくて並びきれずに重なっている場合があります。顎が小さい、横幅が狭い場合は、歯列を拡大することをまず行います。
ただし、無限に拡大できるわけではありません。拡大しても歯が並ぶスペースが足りないケースや、歯は並んだけれど口元が出ている感じがして審美的に満足が得られないケースでは、拡大をしたうえで抜歯を選択することもあります。歯を並べることだけを最優先にするのではなく、その方にとって最良の結果を目指します。
MFTで癖を改善
矯正治療と並行して、唇の巻き込みグセそのものを改善することも重要です。
当院では、MFT(口腔筋機能療法)を用いて、口の周りの筋肉のバランスを整え、良くない癖を改善するサポートを行っています。癖の原因にアプローチすることで、治療後の後戻りを防ぎ、長期的に安定した歯並びを目指します。
きれいになるための矯正治療は間違っていません。でも、私たちは健康できれいになってほしいと願っています。
まとめ:唇を舐める癖は叢生の隠れた原因
唇を舐める癖は、多くの場合、無意識に口唇を内側に巻き込む巻き込みグセです。この巻き込む力が歯を内側に押し込み、下の前歯の傾斜や叢生、下顎の後退、上顎前突など、さまざまな歯並びの乱れを引き起こします。一言で言えば、くちびるを舐める力によって歯列が狭くなり、叢生につながるのです。
成人の方はリップやグロスがすぐ落ちる、唇が荒れやすいというサイン、お子さんは口周りの赤茶色い跡というサインで、巻き込みグセに気づくことができます。
叢生を治すためには、まず原因を知ることが大切です。札幌市西区の「みかみ歯科医院」では、保田矯正による原因からの治療と、MFTによる癖の改善で、根本的な解決を目指しています。唇を舐める癖や歯並びが気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1: 唇を舐める癖で本当に歯並びが悪くなりますか?
はい、唇を舐める癖は歯並びを悪くする原因になります。唇を舐める癖は、多くの場合、無意識に口唇を内側に巻き込む巻き込みグセです。口唇を内側に巻き込む力がかかることで、歯を内側に押し込むような力が働きます。歯並びは、舌が内側から押す力と唇や頬が外側から支える力のバランスで保たれていますが、唇を巻き込む癖があるとこのバランスが崩れ、歯が本来の位置からずれていきます。その結果、下の前歯が内側に倒れて叢生になったり、下顎が後方に押し込まれたり、上顎前突、いわゆる出っ歯がひどくなったりすることがあります。無意識で行われるため気づきにくいですが、早めに改善することが大切です。
Q2: 自分が唇を巻き込む癖を持っているか、どうすればわかりますか?
いくつかのサインで見分けることができます。成人の方の場合、リップをきれいに塗ったのにいつのまにか落ちている、食事をしたわけでもないのにグロスがすぐはげる、落ちるといった経験があれば、無意識に唇を巻き込んでいる可能性があります。また、唇が荒れやすいというのもサインの一つです。お子さんの場合は、唇の周りの皮膚が、巻き込んだかたちに赤茶色く跡がついていることがあります。これは繰り返し唇を巻き込むことで皮膚に刺激が加わるためです。こうしたサインに心当たりがある場合は、口唇の巻き込みグセを持っている可能性が高いため、一度歯科医院で相談することをおすすめします。
Q3: 唇を舐める癖はどんな歯並びを引き起こしますか?
唇を舐める、つまり巻き込む癖は、巻き込み方によってさまざまな歯並びを引き起こします。下くちびるを巻き込む場合は、下の前歯が内側に倒れるように傾斜したり、重なって叢生になったりします。また、下顎そのものが後方に押し込まれることもあります。さらに、巻き込んだ下くちびるの上に上顎前歯が乗ることで、上顎前突、いわゆる出っ歯がひどくなる場合もあります。上下ともに巻き込んでいる場合は、上顎、下顎ともに不自然に内向きに傾斜したような歯並びになったり、一番力がかかる部分だけ内側に倒れて他の部分の叢生がひどくなったりします。一言で言うと、くちびるを舐める力によって歯列が狭くなることが多いのです。
Q4: 唇を舐める癖を治せば歯並びも治りますか?
癖を治すことは、歯並びの悪化を止めるために非常に重要ですが、すでに乱れてしまった歯並びは、癖を治すだけでは元に戻らないことが多いです。特に、大人の場合や、叢生が進行している場合は、矯正治療が必要になります。ただし、矯正治療で歯並びを整えても、原因となっている巻き込みグセが残っていると、再び歯が動いて後戻りしてしまう可能性があります。そのため、矯正治療と並行して、MFT(口腔筋機能療法)などで癖そのものを改善することが大切です。当院では、なぜその歯並びになっているのか原因を丁寧に診査し、歯並びの改善と癖の改善を並行して行うことで、後戻りの少ない安定した状態を目指しています。
Q5: 唇を舐める癖による叢生はどうやって治しますか?
叢生を治すためには、まず原因が何かを知ることが大切です。当院で行っている保田矯正は、原因から治すことを考える矯正治療です。叢生には、顎が小さくて歯が並びきれない場合と、歯が平均より大きくて並びきれない場合があります。顎が小さい、横幅が狭い場合は、まず歯列を拡大します。ただし、無限に拡大できるわけではないため、拡大しても歯が並ぶスペースが足りないケースや、審美的に満足が得られないケースでは、拡大したうえで抜歯を選択することもあります。歯を並べることだけを最優先にするのではなく、その方にとって最良の結果を目指します。また、原因となっている唇の巻き込みグセをMFTで改善することで、後戻りを防ぎます。まずはお気軽にご相談ください。
【院長コメント】
唇を舐める癖は、原因を知って対処することが大切
唇を舐める癖と歯並びの関係は、意外と知られていません。多くの方は、唇を舐めるのは唇が乾いたときの無害な動作だと思っています。しかし、その多くは無意識の巻き込みグセであり、口唇を内側に巻き込む力が、歯並びを乱す原因になっているのです。
私が診療の中でよくお伝えするのは、この癖のサインです。成人の方であれば、リップやグロスがすぐ落ちる、唇が荒れやすいというサイン。お子さんであれば、口の周りに巻き込んだかたちの赤茶色い跡が見られます。こうしたサインに気づいたら、巻き込みグセを疑ってみてください。
唇の巻き込みは、下の前歯を内側に傾斜させて叢生を招いたり、下顎を後方に押し込んだり、下唇の上に上の前歯が乗って出っ歯をひどくしたりと、さまざまな歯並びの乱れを引き起こします。一言で言えば、くちびるを舐める力で歯列が狭くなってしまうのです。
大切なのは、まず原因が何かを知ることです。当院で行っている保田矯正は、原因から治すことを考える矯正治療です。ただ歯を並べるのではなく、なぜその歯並びになっているのかを丁寧に診査し、癖の改善も含めた根本的な治療を行います。
きれいになるための矯正治療は間違っていません。でも、私は健康できれいになってほしいと願っています。唇を舐める癖や歯並びが気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
【監修】
みかみ歯科医院 院長 印藤 浩子
