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歯列矯正で保険適用になる条件とは?適用される3つのケースを徹底解説

2026年4月27日

歯列矯正を検討されている方の多くが、治療費の高さに悩まれているのではないでしょうか。一般的に歯列矯正は数十万円から百万円以上かかることも珍しくなく、経済的な負担が大きい治療です。

そのような中で、健康保険が適用されれば、費用負担を大幅に軽減できます。しかし、歯列矯正は原則として保険適用外とされており、多くのケースでは自費診療となります。

ただし、一部の特定の症例においては、保険適用が認められる場合があります。この記事では、札幌市西区の「みかみ歯科医院」が、歯列矯正で保険適用される3つのケースと、その条件、費用の目安、医療機関の探し方について詳しく解説します。

ご自身やお子さんの症状が保険適用の対象となるかどうか、ぜひ確認してみてください。

歯列矯正が保険適用にならない理由

まず、なぜ多くの歯列矯正が保険適用にならないのか、その理由を理解しておきましょう。

審美目的の治療は保険適用外

日本の健康保険制度において、保険適用となる治療は、病気やケガの治療を目的とした医療行為に限られています。

歯列矯正は、歯並びを整えることで見た目を改善する審美的な目的が強いと判断されるため、基本的には保険適用外となります。確かに、歯並びが悪いと虫歯や歯周病のリスクが高まる、噛み合わせが悪くなる、発音に影響が出るといった健康上の問題もありますが、多くの場合は見た目の改善という審美的側面が優先されると考えられています。

そのため、歯列矯正は美容目的の治療とみなされ、保険適用の対象外となるのが原則です。

健康保険は病気やケガの治療が対象

健康保険は、生活に支障をきたす病気やケガを治療することを目的とした制度です。

たとえば、虫歯の治療、歯周病の治療、抜歯、入れ歯の作製などは、歯の機能を回復させるための治療であり、保険適用となります。一方、ホワイトニングやセラミックの詰め物、インプラントなどは、審美的な目的が強いため、保険適用外となります。

歯列矯正も同様に、審美的な目的が強いと判断されることが多く、保険適用外となるのが一般的です。ただし、特定の疾患が原因で歯並びや噛み合わせに問題が生じている場合は、治療の必要性が認められ、保険適用となることがあります。

歯列矯正で保険適用される3つのケース

歯列矯正が保険適用となるのは、以下の3つのケースに限られます。

①厚生労働大臣が定める先天性疾患(66疾患)

1つ目は、厚生労働大臣が定める先天性疾患がある場合です。

先天性疾患とは、生まれつき骨の変形などにより、口の噛み合わせに異常が出てしまう疾患のことです。厚生労働省により、現時点では66種類の疾患が細かく定められており、約2年に一度の保険診療報酬の改定で、疾患の追加や疾患名の標記見直しが行われます。

代表的な疾患としては、以下のようなものがあります。

  • 唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ):生まれつき上顎や唇に裂け目が生じている疾患
  • ダウン症候群:染色体異常による疾患で、特有の顔貌や筋肉弛緩、心臓の形態異常などを伴う
  • 筋ジストロフィー:筋肉が徐々に弱くなっていく遺伝性の疾患
  • 鎖骨頭蓋異形成症:鎖骨や頭蓋骨の発育不全を伴う疾患
  • クルーゾン症候群:頭蓋骨の早期癒合により、顔面の変形が生じる疾患

これらの疾患に該当する場合、歯並びや噛み合わせの異常が病気の治療の一環とみなされ、保険適用となります。

②永久歯萌出不全(3歯以上の埋伏歯)

2つ目は、前歯および小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常がある場合です。

永久歯萌出不全とは、6歳頃から12歳頃にかけて起こる乳歯から永久歯への生え変わりの時期に、永久歯が生えてこない症状のことです。

原因としては、永久歯が歯茎の中に埋まってしまって生えてこない埋伏歯(まいふくし)となっている場合や、先天的に永久歯が作られていない先天性欠如がある場合があります。

埋伏歯の場合、歯茎を切開して歯を引き出す埋伏歯開窓術という手術が必要です。この手術は矯正治療の一環として行われますが、前歯および小臼歯が3歯以上生えてこない場合に限り、保険適用となります。

ただし、1本や2本の萌出不全では保険適用にはなりません。3歯以上という条件が設けられているのは、1〜2歯がなくても噛み合わせに大きな異常をきたす可能性が少ないためです。

なお、3歯以上の萌出不全はかなり稀なケースであり、実際に保険適用を受けられる方は限られています。

③顎変形症(外科手術が必要な場合)

3つ目は、顎変形症(がくへんけいしょう)により、顎離断等の外科手術を必要とする場合です。

顎変形症とは、上下の顎の骨の位置や大きさに大きなずれがあり、骨格が原因で噛み合わせが悪くなる不正咬合が起こる疾患です。多くの場合、幼少期には異常が見受けられず、顎が成長するとともに不正咬合の症状が出始めます。

顎変形症の代表的な症状としては、以下のようなものがあります。

  • 骨格的な下顎前突(受け口):下顎が前方に突出している
  • 骨格的な上顎前突(出っ歯):上顎が前方に突出している
  • 顎のゆがみ:左右の顎の長さが異なり、顔が曲がって見える
  • 開咬(オープンバイト):奥歯は噛んでいるのに前歯が噛み合わない

顎変形症の治療として歯列矯正を行う場合、外科手術を伴う場合に限り、保険適用となります。手術を伴わない矯正治療のみの場合は、保険適用にはなりません。

顎変形症で保険適用される条件と治療の流れ

顎変形症で保険適用を受ける場合の条件と、治療の具体的な流れについて詳しく見ていきましょう。

顎変形症とは(骨格的な下顎前突・上顎前突・顎のゆがみ)

顎変形症は、顎の骨の成長異常や著しい位置のずれによって、正しい噛み合わせができない状態を指します。

原因としては、遺伝的な要素が多いとされていますが、乳幼児期の舌を突き出す癖や指しゃぶりが原因という説もあります。また、顎変形症が就寝中のいびきや睡眠時無呼吸症候群の原因になることもあります。

顎変形症の診断は、顎口腔機能診断施設として指定されている医療機関で行われます。レントゲン撮影やCT撮影、セファロ分析(頭部X線規格写真による分析)などを用いて、骨格の状態を詳しく調べます。

外科的矯正治療(オペケース)の流れ

顎変形症で保険適用となるのは、外科的矯正治療、いわゆるオペケースと呼ばれる治療法です。

一般的な治療の流れは、以下の通りです。

  1. 術前矯正(ワイヤー矯正で歯並びを整える) まず、ワイヤー矯正を用いて上顎と下顎の歯並びを整えます。この段階では、骨格のずれはそのままの状態で、歯並びだけを整えていきます。期間は1年〜2年程度かかることが多いです。
  2. 骨切り手術(入院) 歯並びが整った後、顎の骨を切る骨切り手術を行います。この手術により、上下の顎の位置関係を正常な状態に修正します。手術は全身麻酔下で行われ、通常1週間〜2週間程度の入院が必要です。
  3. 術後矯正(仕上げ) 手術後、噛み合わせを微調整するための仕上げの矯正治療を行います。期間は半年〜1年程度です。

このように、外科的矯正治療は、矯正治療と外科手術を組み合わせた長期的な治療となります。

手術ができる時期(成長期には行えない)

骨切り手術は、成長期には行うことができません。

顎の骨の成長が続いている間に手術を行っても、その後の成長によって再び骨格のずれが生じてしまう可能性があるためです。そのため、骨格の成長がある程度落ち着いてから手術を行う必要があります。

一般的には、早くても高校生の終わり頃から手術が可能となります。実際には、大学生の長期休み(夏休みや春休み)の間に手術を受けるケースが多いです。入院期間が1〜2週間必要であることや、術後の腫れが引くまでに時間がかかることから、長期休暇を利用するのが現実的だからです。

もちろん、成人の方も対象となります。年齢制限はありませんが、全身状態が良好であることが手術の条件となります。

生命保険の給付金が支払われる可能性

外科的矯正治療は、保険診療といっても、それなりの金額を負担することになります。しかし、入院を伴う外科手術を受けることになるため、加入されている生命保険によっては、給付金が支払われることがあります。

多くの生命保険では、入院給付金や手術給付金が設定されており、顎の骨切り手術もその対象となることが多いです。給付金を利用することで、実質的な負担額を大幅に抑えられる可能性があります。

手術を検討される際は、加入されている生命保険の内容を確認し、給付金の対象となるかどうかを保険会社に問い合わせることをおすすめします。

保険適用で歯列矯正を受けるための条件

保険適用で歯列矯正を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

指定医療機関での受診が必須(矯診・顎診)

保険適用で矯正治療を受けるためには、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関で受診する必要があります。

この指定医療機関には、2つの種類があります。

  • 矯診(矯正歯科診断料算定の指定医療機関):先天性疾患や永久歯萌出不全による矯正治療が保険適用される医療機関
  • 顎診(顎口腔機能診断施設):顎変形症の診断と治療が保険適用される医療機関

どちらの指定を受けているかによって、対応できる疾患が異なります。ご自身の症状に合わせて、適切な医療機関を選ぶ必要があります。

ワイヤー矯正のみ適用(マウスピースは適用外)

保険適用で歯列矯正を受ける場合、使用できる矯正装置にも制限があります。

保険適用となるのは、ワイヤー矯正(マルチブラケット装置)のみです。マウスピース矯正は、装置自体が保険適用外であるため、どのような疾患であってもマウスピースを使用して矯正治療を行う場合は、全て自由診療となります。

そのため、保険適用で治療を受けたい場合は、ワイヤー矯正を選択する必要があります。

診断書の発行と審査

保険適用で矯正治療を受けるためには、まず医師による診断を受け、診断書を発行してもらう必要があります。

診断書には、歯列不正や不正咬合の症状とその原因となる疾患、治療方針、保険の必要性などが記載されます。その内容が保険機関に審査され、妥当性が認められると、保険診療での歯列矯正が可能になります。

治療の開始は審査後になるため、診断から治療開始までには数週間、場合によっては数ヶ月を要することもあります。

保険適用の医療機関の探し方

保険適用で矯正治療を受けられる医療機関は、どのように探せばよいのでしょうか。

地方厚生局のホームページで検索

指定医療機関は、地方厚生局のホームページから検索することができます。

検索方法は以下の通りです。

  1. 地方厚生(支)局のサイトにアクセスし、お住いの地域に該当する厚生局をクリック
  2. サイトの検索窓から「施設基準届出受理医療機関名簿」と入力し、該当ページにアクセス
  3. お住まいの都道府県の歯科とあるPDFをダウンロード
  4. PDFリストより矯診あるいは顎診と書かれた医療機関を探す

このように、インターネットで簡単に検索することができます。

北海道にお住まいの方はこちらのページからご確認いただけます。

矯診と顎診の違い

矯診と顎診の違いを理解しておくことが重要です。

  • 矯診:先天性疾患による噛み合わせ異常、永久歯萌出不全による噛み合わせ異常の治療が保険適用となる医療機関
  • 顎診:顎変形症の手術前・後の矯正治療が保険適用となる医療機関

ご自身の症状に応じて、適切な指定を受けている医療機関を選びましょう。

当院は保険適用の矯正治療は行っていません

札幌市西区の「みかみ歯科医院」では、保険適用の矯正治療は行っておりません。

当院では、保田矯正という独自のアプローチにより、複数の装置を組み合わせた自由診療の矯正治療を提供しています。鼻呼吸の改善や全身の健康を重視した矯正治療を行っており、保険適用の枠組みでは対応できない幅広い症例に対応しています。

保険適用の矯正治療をご希望の方は、前述の方法で指定医療機関を検索し、受診されることをおすすめします。

保険適用後の費用の目安

保険適用となった場合、実際にどのくらいの費用がかかるのでしょうか。

自由診療と保険適用の費用比較

自由診療で歯列矯正を行う場合、費用は全額自己負担となります。

一般的な費用の目安は以下の通りです。

  • ワイヤー矯正(表側):30万〜130万円
  • ワイヤー矯正(裏側):40万〜170万円
  • マウスピース矯正(全体):60万〜100万円

一方、保険適用となった場合は、3割負担(一般的な健康保険の自己負担割合)で治療を受けることができます。

ただし、保険適用といっても、矯正治療は長期間にわたる治療であり、総額では数十万円の負担となることが一般的です。

3割負担でも相応の金額

保険適用となった場合の具体的な費用は、症例や治療期間によって異なりますが、一般的には以下のような目安となります。

  • 検査・診断料:数万円(3割負担)
  • 矯正装置の装着料:数万円(3割負担)
  • 調整料:月に数千円(3割負担)
  • 手術費用(顎変形症の場合):十数万円〜数十万円(3割負担)

全体の治療期間が2〜3年にわたる場合、総額で30万〜50万円程度の負担となることが多いです。自由診療と比べれば大幅に安くなりますが、それでも相応の金額がかかることを理解しておきましょう。

生命保険の給付金で負担を軽減

前述の通り、外科手術を伴う顎変形症の治療では、生命保険の給付金を受けられる可能性があります。

入院給付金や手術給付金を合わせると、数十万円の給付を受けられることもあり、実質的な負担額を大幅に軽減できます。

成長期に矯正を始めるメリット(カムフラージュ治療)

骨格的な問題がある場合でも、成長期に矯正治療を始めることで、外科手術を避けられる可能性があります。

骨格的な問題が大きくならずに済む

成長期に矯正治療を開始すると、顎の成長をコントロールしながら治療を進めることができます。

たとえば、下顎が大きく成長しそうな傾向がある場合、成長抑制装置を使用することで、下顎の過剰な成長を抑えることができます。逆に、上顎の成長が不足している場合は、拡大装置を使用して上顎の成長を促すことができます。

このように、成長期に適切な矯正治療を行うことで、骨格的な問題が大きくならずに済むことがあります。

オペケースを避けられる可能性

成長期に矯正治療を行うことで、将来的に外科手術が必要となるオペケースを避けられる可能性があります。

骨格的な問題がある程度の範囲内であれば、歯の位置を調整することで噛み合わせを改善するカムフラージュ治療で対応できることがあります。カムフラージュ治療とは、骨格のずれはそのままにして、歯の傾きや位置を調整することで、見た目や噛み合わせを改善する治療法です。

成長期にカムフラージュ治療を行うことで、成人後に外科手術を受ける必要がなくなることもあります。

早期相談の重要性

骨格的な問題が疑われる場合は、早めに矯正歯科医に相談することが重要です。

成長期にしかできない治療もあるため、できるだけ早い段階で専門医の診断を受けることをおすすめします。小学生の時期に相談を開始し、適切なタイミングで治療を始めることで、将来的な外科手術を避けられる可能性が高まります。

保険適用外でも費用を抑える方法

保険適用の対象とならない場合でも、費用を抑える方法はいくつかあります。

医療費控除を活用する

歯列矯正の費用は、医療費控除の対象となる場合があります。

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合、所得税の還付を受けられる制度です。控除額は以下のように計算されます。

医療費控除額 = 実際に支払った医療費の合計額 − 保険金などで補填される金額 − 10万円(または総所得金額等の5%のいずれか低い方)

歯列矯正の費用が高額になる場合、医療費控除を利用することで、実質的な負担額を減らすことができます。

ただし、審美目的の矯正治療は医療費控除の対象外となります。噛み合わせの改善や機能的な問題の解決を目的とした治療であることが条件です。

デンタルローンを利用する

多くの歯科医院では、デンタルローンを利用することができます。

デンタルローンとは、歯科治療費を分割払いできるローンのことです。まとまった金額を一度に支払うことが難しい場合でも、月々の支払いを抑えながら治療を受けることができます。

金利や審査基準は金融機関によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。

部分矯正で費用を抑える

歯並び全体ではなく、前歯など一部の歯だけを矯正する部分矯正を選ぶことで、費用を抑えることができます。

部分矯正の費用は、一般的に10万〜40万円程度と、全体矯正と比べて安価です。ただし、部分矯正では対応できない症例もありますので、歯科医師とよく相談して判断しましょう。

まとめ:保険適用の条件を理解し、適切な治療を選択しよう

歯列矯正は原則として保険適用外ですが、以下の3つのケースに限り、保険適用となります。

  1. 厚生労働大臣が定める先天性疾患(66疾患)がある場合
  2. 永久歯萌出不全(3歯以上の埋伏歯)がある場合
  3. 顎変形症で外科手術を必要とする場合

保険適用で治療を受けるためには、指定医療機関での受診が必須であり、ワイヤー矯正のみが対象となります。マウスピース矯正は保険適用外です。

また、顎変形症で外科手術を伴う場合は、生命保険の給付金を受けられる可能性があり、実質的な負担額を軽減できます。

一方、成長期に矯正治療を始めることで、骨格的な問題が大きくならずに済み、将来的な外科手術を避けられる可能性があります。早期相談が重要です。

保険適用の対象とならない場合でも、医療費控除やデンタルローン、部分矯正などを活用することで、費用負担を軽減することができます。

ご自身やお子さんの症状に合わせて、最適な治療法を選択しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1: 歯列矯正で保険適用される条件は何ですか?

歯列矯正で保険適用される条件は、以下の3つのケースに限られます。①厚生労働大臣が定める先天性疾患(66疾患)に起因した噛み合わせ異常がある場合、②前歯および小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常があり、埋伏歯開窓術を必要とする場合、③顎変形症で顎離断等の外科手術を必要とする場合、です。これらの条件に該当しない場合、歯列矯正は保険適用外となり、自由診療となります。また、保険適用で治療を受けるためには、厚生労働大臣が定める施設基準に適合した指定医療機関(矯診または顎診)で受診する必要があります。

Q2: 顎変形症とはどんな症状ですか?保険適用されますか?

顎変形症とは、上下の顎の骨の位置や大きさに大きなずれがあり、骨格が原因で噛み合わせが悪くなる不正咬合が起こる疾患です。代表的な症状としては、骨格的な下顎前突(受け口)、骨格的な上顎前突(出っ歯)、顎のゆがみ(左右の顎の長さが異なる)、開咬(前歯が噛み合わない)などがあります。顎変形症の治療として歯列矯正を行う場合、外科手術を伴う場合に限り保険適用となります。手術を伴わない矯正治療のみの場合は保険適用になりません。治療の流れは、術前矯正でワイヤー矯正により歯並びを整え、その後骨切り手術を行い、術後矯正で仕上げるという流れになります。

Q3: 保険適用で歯列矯正を受けるにはどこに行けばいいですか?

保険適用で歯列矯正を受けるには、厚生労働大臣が定める施設基準に適合した指定医療機関で受診する必要があります。指定医療機関は、地方厚生局のホームページから検索できます。検索方法は以下の通りです。①地方厚生(支)局のサイトにアクセスし、お住いの地域の厚生局をクリック、②サイトの検索窓から「施設基準届出受理医療機関名簿」と入力、③お住まいの都道府県の歯科のPDFをダウンロード、④PDFリストより矯診または顎診と書かれた医療機関を探す、という手順です。矯診は先天性疾患や永久歯萌出不全の治療が保険適用される医療機関、顎診は顎変形症の治療が保険適用される医療機関です。

Q4: マウスピース矯正は保険適用されますか?

マウスピース矯正は、保険適用されません。保険適用で歯列矯正を受ける場合、使用できる矯正装置はワイヤー矯正(マルチブラケット装置)のみと定められています。マウスピース矯正の装置自体が保険適用外であるため、たとえ顎変形症や先天性疾患などの保険適用の対象となる症例であっても、マウスピースを使用して矯正治療を行う場合は、全て自由診療となります。保険適用で治療を受けたい場合は、ワイヤー矯正を選択する必要があります。マウスピース矯正を希望される場合は、自由診療として全額自己負担で治療を受けることになります。

Q5: 成人でも歯列矯正の保険適用を受けられますか?

はい、成人でも条件を満たせば歯列矯正の保険適用を受けられます。特に顎変形症で外科手術を必要とする場合は、年齢に関係なく保険適用の対象となります。骨切り手術は成長期には行えないため、実際には高校生の終わり頃から成人の方が治療を受けることが多いです。ただし、手術を受けるためには全身状態が良好であることが条件となります。また、先天性疾患がある場合も、成人であっても保険適用となります。永久歯萌出不全は小児期の症状であるため、成人のケースは少ないですが、条件を満たせば保険適用となります。成人の方で骨格的な問題や先天性疾患がある場合は、指定医療機関で診断を受けることをおすすめします。

【院長コメント】

保険適用は限定的。成長期に始めるとカムフラージュ治療で済むケースも

歯列矯正の保険適用については、多くの方が誤解されていることがあります。保険適用となるのは、先天性疾患、永久歯萌出不全、顎変形症の3つのケースに限られており、一般的な歯並びの悪さや審美的な目的での矯正治療は、保険適用の対象外です。

特に顎変形症に関しては、外科手術を伴う場合のみ保険適用となります。手術は全身麻酔下で行われ、入院も必要となるため、患者さんにとっては大きな決断となります。また、手術ができるのは成長が落ち着いてからであり、成長期には行えません。

しかし、ここで知っておいていただきたいのは、成長期に矯正治療を開始することで、骨格的な問題が大きくならずに済み、将来的に外科手術が必要となるオペケースを避けられる可能性があるということです。カムフラージュ治療と呼ばれる方法で、骨格のずれはそのままにして歯の位置を調整することで、見た目や噛み合わせを改善できることがあります。

当院で行っている保田矯正では、保険適用の枠組みでは対応できない幅広い症例に対応しており、鼻呼吸の改善や全身の健康を重視した治療を提供しています。保険適用の矯正治療は行っておりませんが、お子さんの将来を考えた早期相談は非常に重要です。骨格的な問題が疑われる場合は、ぜひお早めにご相談ください。

また、保険制度は2年に一度改正されますので、最新の情報が入手でき次第、都度発信していきたいと思います。

【監修】
みかみ歯科医院 院長 印藤 浩子
スタッフ紹介ページ

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